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CADの業務はテレワーク可能?インフラ・募集状況を解説!

働き方改革やコロナ禍を実際に体験したBCP(事業継続計画)対策などから、CAD関連の業務でもテレワークの動きがみられます。

この記事では、CADの業務をテレワークする際の選択肢や実際の求人状況、CADの業務をリモートワークで行う際の注意点について紹介します。
テレワークでCADの仕事をしたい方はぜひ参考にしてください。

テレワークでのCADの仕事をするための環境整備

AutoCAD2021やFusion360など、クラウドで動くCADが登場するなど、CADソフト側もリモートワークの体制構築に積極的です。
CADを使う場合には、パソコンへのCAD環境構築が欠かせません。
CADを使う前の準備として、どのような選択肢があるのかをかんたんに紹介します。

個人所有のパソコンに環境構築

CADのライセンスは移動できる場合があります。
例えばAutoCAD製品の場合、1ユーザーが使用する前提で複数の端末に環境構築が可能です。(*1)

もし個人所有のパソコンに環境を構築する場合は、CADデータを動かすためのメモリやディスク容量、ディスプレイの解像度などシステム要件を事前に確かめましょう。
せっかく環境を作ってもデータが開けなかったり、カクカクしてスムーズに動かなかったりするのでは、仕事になりません。

会社の機器の貸与

出張や会議用などとしてリモート接続できるCAD環境を持っている場合があります。
すでに環境構築済みの機器が使用できれば、自分で環境設定が不要となり手軽です。

クラウドCAD

クラウド接続できるCADを使う場合は、ログインするだけのため、ふだんと近い感覚で業務が可能です。
ログインIDやパスワードを適切に管理するのはもちろん、特別なブラウザを用いて端末のローカルデータに保存できないようにするなど制限があるとより安全です。

リモート接続

hp社のZCentral Remote BoostのようにCADに対応してリモートアクセスできるソフトウェアを用いると、会社内にある端末が直接操作できます。(*2)
一般的なリモート接続ツールでもできる場合がありますが、十分な描画領域がない可能性があります。
また、通信速度が不足していると画面のフィードバックが遅延してうまく操作ができずに困ります。

ふだんと同じ感覚では作業できない可能性があるため、事前にテストをして確かめておきましょう。

CADをテレワークするための環境整備まとめ

それぞれの環境の違いについて表にまとめます。

個人所有のパソコンに環境構築会社の機器の貸与クラウドCADリモート接続
テレワーク端末へのデータ保存保存する保存する保存しない保存しない
社内のCADとの環境 との差異テレワーク専用環境同じ同じ同じ
クラウドサービス接続接続しない接続しない接続する接続しない
高速インターネット 回線の要否ライセンスの持ち出し時:不要 ネットワークライセンス時:必須あると望ましい必須

テレワーク可能なCAD業務の募集状況

テレワークでできるCADの仕事が増加しているほか、CAD案件の募集内容にも変化がみられます。

CADのリモートワーク案件が増えてきている

以前よりAutoCADやJW-CADを使った製図の募集案件は多くみられました。
例えば配管など一定の仕様を作図する案件や不動産の賃貸物件の間取りを図面化するような案件などです。

JW-CADは無料ですし、AutoCADも比較的安価に導入可能です。
CADの環境構築は基本的に自立した状況であり、自分のパソコンに必要な環境を構築してアウトプットをしていく方法です。

しかし、最近はRevitやCATIAのように、インストールするにはハイエンドなワークステーションと高額なライセンスが必要となるシステムでも、リモートワークが可能になっています。

パソコンは貸与・レンタルされる場合がありますが、最低限10Mbps以上のインターネット環境通信とZoom、Skypeなど連絡をとる方法が必要です。

在宅勤務には実務経験が必要

CADでリモートワークができる人は、ある程度自立して仕事が進められる人です。
基本的な操作や仕様を逐一聞きながら仕事をしなければならないとなると、説明する側にとっても負担です。
「慣れるまでは出社して、ある程度仕事を覚えてからリモートワークに切り替えてほしい」と言われる場合があるでしょう。

事前に、書籍やスクール、技術動画などで仕事に関わる必要知識を身につけるように努めましょう。

未経験の場合は通勤圏内の案件に応募する

リモートワークのやりとりだけでまかないきれない場合には、実際にオフィスに出向いて打ち合わせをする場合があるかもしれません。

特に未経験者の場合は「万一」の頻度が高くなることを考慮して、自宅から通勤できる範囲の案件を選ぶのがおすすめです。

テレワークでCAD業務をする際の注意点

会社のパソコンに直接アクセスして作業する場合やクラウドCADの場合は、ほぼふだんどおりの使い方が可能です。

しかしテレワークではCADデータ管理とセキュリティに十分注意が必要です。(*3)

データの授受方法のルール化

リモートワークをする場合には、作成するCADのリビジョンの管理と、PDM・PLMツールにどのように接続するかを検討しておきましょう。

自宅のパソコンに環境を構築して作業をする場合や、会社のパソコンを貸与されて作業をする場合には、別環境を構築してデータを持ちだすこととなります。
そのため、主となるアセンブリから作業対象となるCADデータが切り離されてしまいます。

履歴がある状態でCADデータに戻すのか、作成した形状を中間ファイルなどを通して戻すのかによっても、取るべき対応が異なります。
漠然とはじめてあとで問題とならないよう、データをどのようにやりとりするのかについて、事前に方針固めが必要です。

テレワーク前の状態のバックアップをとる

テレワークの際に万一不測の事態があった場合には、CADのリビジョンデータの履歴を戻す検討が必要かもしれません。

念のためどの時点のCADデータを切り離して作業を始めたのかをわかるようにリビジョン管理をしておきましょう。

また可能であれば、メインのデータをそのまま持ち出すのではなく、会社にバックアップを残した状態でデータが持ち出せるようにしておきましょう。

自分でセキュリティ対策を行う

一般のテレワーク同様にセキュリティへの配慮も必要です。
セキュリティ面をふだん別のシステム管理者などが管理していると、テレワークになった際にあまりセキュリティ確保の重要性が意識しきれないかもしれません。

しかし、作成するCADデータやCADのシステム環境は、あくまでも会社の資産です。
情報資産の管理責任が自分にあるということを意識して、紛失や盗難に配慮するのはもちろん、セキュリティやパソコンのアップデートを行った状態でデータを持ち込みましょう。

また「自分は大丈夫」と安心しすぎず、定期的に実施内容に問題ないかを自己点検する姿勢も重要です。

CADデータを扱っているパソコンをネットワークに接続する場合には、悪意のあるURLをクリックしたりソフトウェアをインストールしたりしないようにしなければなりません。

公衆の無線LANネットワークに接続する場合には、VPNなど通信経路が暗号化された接続を使うのが無難です。第三者に情報を盗み見されないように画面をつけたままの離席やパスワードの管理にも注意しましょう。

まとめ

他の業務と同様にCADにもテレワークの動きがみられます。
管理者の方は、万一の場合にそなえてテレワーク時の運用を考えておいてもよいかもしれません。
また、自宅でリモートワークを検討したい方は、いちどパソコンの環境やセキュリティを見直しておくのがおすすめです。

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参考URL
*1 https://www.autodesk.co.jp/solutions/work-style-innovation
*2 https://jp.ext.hp.com/workstations/zcentral/remote_boost/
*3 https://www.soumu.go.jp/main_content/000545372.pdf


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