Apple Developer’s Programはなぜ必要?設定方法もご紹介
Appleが提供するApp Storeでは、毎日膨大な数のアプリケーションが販売・配布されています。これらのソフトの販売には欠かせない手続きが、Apple Developer’s Programへの参加です。
Apple Developer’s Programに参加することによって、アプリの配布ができるようになるだけでなく、開発者向けに他にも様々な機能やサービスが利用可能になります。
今回は、そんなApple Developer’s Program導入のメリットや、その設定方法についてご紹介します。
目次:
①Apple Developer’s Programとは
②Apple Developer’s Program導入のメリット
③Apple Developer’s Programの設定方法
Apple Developer’s Programとは
Apple Developer’s Programは、簡単に言うとApp Storeに向けのアプリケーションを開発・配信するのに欠かせない機能、あるいは便利な機能をまとめて提供してくれるサービスです。
Appleが提供するアプリ開発者向けのサービス
Appleはクリエイターやエンジニアへのサポートを積極的に展開しており、アプリを開発したいと考える人に向けて、様々なサービスを提供しています。
App Storeに最適化されたエディタや、その他基本的なツールを無料で利用ができるため、誰でも気軽にアプリ開発を進められます。ただ、高度な機能をアプリの中に構築したり、App Storeへの配信を考えている場合には、Apple Developer’s Programへの加入が必要です。
Apple Developer’s Programへの加入は、年間で11,800円の料金が発生します*1。無料・有料でのアプリ提供に関わらず必要な料金ですが、様々なツールを利用できるため、配信の予定がない場合でも非常に便利なサービスです。
アプリ配信のためには加入が不可欠
Apple Developer’s Programは有料のサービスですが、Appleが管理するApp Storeへのアプリ配信を行うためには、このサービスへの加入が必ず必要になります。
Apple独自の審査を通過し、配信ラインナップに加えてもらう上で、このプログラムは欠かせません。Androidなどでは一つのプラットフォームに限った配信ではありませんが、App Storeは非常に管理が厳格であるため、このような措置を設けています。
Apple Developer’s Program導入のメリット
App Store向けのアプリを開発する人間にとって、Apple Developer’s Programへの加入は半ば税負担のような意味合いを持ちます。しかし、単に税負担としてサービス加入料金が発生するだけでなく、非常に豊富なツールやサービスを利用できるため、使いようによっては非常にコストパフォーマンスに優れるサービスとして有効活用できます。
優れた開発ツールを多数利用可能
Apple Developer’s Programでは、ここでしか配信していない様々な開発ツールを利用できるようになります。教育向けのEducationやヘルスケア向けのHealth and Fitness、課金機能といった基本的なものから、ARを使ったゲーム開発や、Apple専用のスコアリングシステムであるGame Center、そしてAppleが展開するサブスクリプションサービスであるApple Arcade専用の開発キットなど、多くの機能が目白押しです。
特定のジャンルに偏らず、様々なツールをApple Developer’s Programに加入するだけで利用できるため、開発環境を簡単に揃えられる強みを持っています。
最新のAppleテクノロジーを利用可能
また、Apple Developer’s Program加入者には一般公開に先んじて、最新のAppleテクノロジーを利用する機会にも恵まれます。
iOSなど、Apple製品は頻繁にアップデートが行われるため、アプリもそれに最適化されるためにアップデートを行う必要があります。このアップデートの作業を行う際に、最新のソフトウェアを開発者向けとして利用し、最適化を行います。
そのため、次のOSがどのような機能を持つのかといった情報や使用感も、普通より早いタイミングで知れるのが強みです。
アプリのテスト運用を効率化
App Storeでの配信を検討しているアプリについては、Apple Developer’s Program参加者の場合専用のサービスを使ってベータテストを行うことができます。
これは「TestFlight」というツールを使って行えるもので、Eメールアドレスを使用するかパブリックリンクを共有することで、最大10,000人の外部テスターとベータ版を共有可能です*2。個人開発であれば、こういったテストプレイを提供する機会も限定されるものですが、TestFlightを使うことで、Appleクオリティで迅速なテスターの活用を行えます。
Apple Developer’s Programの設定方法
最後に、Apple Developer’s Programの設定方法についてご紹介します。
個人の場合
Apple Developer’s Programは、登録者が個人か法人かによって、微妙に設定方法が異なります。
まず個人の場合の登録方法ですが、はじめにApple Developer Appをインストールし、起動します。初めての利用の場合はアカウント登録のガイダンスが始まるので、個人情報の入力や利用規約への同意が必要です。その後、年間でのメンバーシップ登録を行い、料金を支払えば利用手続きは完了です。
法人の場合
法人の場合、まずは個人と同様にアプリをインストールし、登録者の個人情報を入力します。その後、個人の場合にはなかった組織情報の入力画面が登場します。法人の種類や本社の住所入力などを行い、手続きを進めます。
手続きには一般公開されているWebサイトのURLも必要となるため、インターネット上で企業のIDを提示できるページをあらかじめ用意しておく必要があります。また、組織が非営利団体、教育機関、政府機関である場合、登録料の免除をリクエストすることも可能です*3。
おわりに
Apple Developer’s Programは、Apple製品向けのソフトウェアやサービスを開発するエンジニアにとっては欠かせないプログラムとなっています。
年間料金が発生する一方、豊富なツールやサポート機能を使えるため、有効活用してそのコストパフォーマンスを高めましょう。
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参考:
*1 Apple「Apple Developer’s Program」
https://developer.apple.com/jp/programs/how-it-works/
*2 Apple 「Apple Developer’s Program」
https://developer.apple.com/jp/programs/
*3 Apple「Apple DeveloperAppを 使用した登録と本人確認」
https://developer.apple.com/jp/support/app-account/