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IoTとビッグデータ解析で気象予測。ビジネス活用に需要

天気予報など、気象予測に用いられる情報源といって思い浮かぶのは、気象衛星やアメダスから送られてくるデータがあるでしょう。今、ビジネスに活用すための高精度な気象予測に、IoTを駆使する動きが出始めています。たくさんのIoTセンサーを張り巡らし、地球規模で収集する情報から分析する気象予測は、ビジネスにどんな役割を果たすのでしょうか。

高精度の予測に不可欠な気象データの大規模収集

気象予測をするには、気温や湿度、雲の動きといった基本情報が欠かせません。これらの情報は、各地に設置した気象計測器や気象衛星から収集します。そして、スーパーコンピューターを使って大規模計算をして、結果をもとに分析・予測をします。

コンピューター処理の高速化や観測データの精度が日新合浦で向上し、最近の天気予報の精度は高くなりました。しかし、近年はゲリラ豪雨など局地的な気象予測が必要となり、さらなる気象情報の収集が求められています。たとえば、スマートフォンで現在いる場所で突発的な豪雨に見舞われたり、竜巻を目撃したりしたときは専用のアプリを使って通知して、位置データを収集・分析するなどです。

こうした情報収集や解析手法を公共の天気予報とは別に、ビジネス向けの気象予測にも取り入れていこうとしています。

IoTセンサーとビッグデータ解析でビジネス向け気象予測

気象とビジネスは深い関係にあります。ビジネスは気象の変化次第で大きな転換を強いられるときがあるからです。たとえば穀物を扱うビジネスでは、異常気象で収穫量が予想を下回れば大きな損失を被ります。また、建設関連でも台風や豪雨が頻繁に見舞われれば、スケジュールの遅れが出ることも考えられます。

ビジネスに活用できる気象予測を実現しようと、IBMはThe Weather Companyと提携して、IoTセンサーとクラウドコンピューティング、そしてビッグデータ解析を組み合わせた地球規模の気象予測システムを構築しようとしています。これは、10万台規模のIoT化した気象センサーを世界各地に設置するだけでなく、移動中の航空機や車両、さらには人が携帯している何百万台ものスマートフォンも情報収集源にして、これらから送られてくるデータをクラウド上に転送して、ビッグデータ解析して企業向けに提供しようというものです。

具体的な詳細は明らかにはされていませんが、実現すればこれまで前例のない大規模なIoT観測システムを構築できるとして注目が集まっています。

IoTによる気象分析を保険、小売、公共事業に

IBMとThe Weather Companyは、IoTセンサーとクラウドコンピューティング、そしてビッグデータ解析により得られた気象分析結果を、保険や小売業、公共事業を手がける企業に向けて提供していこうとしています。

保険分野では、ある地域で突然ひょうが降ると自動車が損傷して保険請求が多発する事態が起こり得ます。そこで、事前に保険会社に突発な気候変動の予測結果を伝えます。そして、保険会社は突発な気象があることを契約者に通知すれば、契約者は自動車への損傷被害を事前に食い止められます。その結果、保険会社は気候変動で生じた保険請求を減らすことができるのです。

小売業では冷夏や暖冬が生じたとき、衣類の売れ行きや農作物の仕入れに影響を及ぼします。そこで、事前に地域ごとの気象予測を知ることができれば、衣料品の販売戦略や食料品確保の計画を打ち立てられ、異常気象による売上げ不振のリスクを抑えることができます。

発電分野では、夏や冬に異常気象が起きると発電量が大きく変わります。猛暑や極寒が予想されるときは、エアコンの使用が増えるため電力の需要が高まります。また、冷夏や暖冬の時は反対に電力の消費はさほどありません。あらかじめ異常気象の予測がわかれば、電力会社にとって事前に効率的な発電計画が立てられ、コスト管理がしやすくなります。

最近は地球規模で異常気象が起きています。気象はビジネスに多大な影響をもたらすだけに、IoTを駆使した気象予測が確立すれば、大規模なビジネスを展開する企業にとって頼れる情報源となるでしょう。

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