自社は今どこを向いている?組織のライフサイクルとは
組織と言えば、まず何を思い浮かべるでしょうか。
大半の人は自分の会社を上げると思います。
所属する組織の規模は大小さまざまあるかと思いますが、自分が組織の一員であるとなんとなくわかっていても、組織がまるで人のように、ライフサイクルを持つ存在であるとはあまり考えたことがない方もいるのではないでしょうか。
組織のライフサイクル
なぜ生き物ではない組織にライフサイクルがあるかというと、時間の経過とともに絶えず変化するからです。
組織に新たに入る人、出ていく人、入ってくる人が出ていく人よりも多ければ組織は拡大しますし、反対の傾向が続けば組織はやがて衰退していきます。人数が増えれば部署も増え、さらに組織化されていく…。
こうして組織は生き物のように形を変え、一定のライフサイクルをたどっていきます。
組織のライフサイクルは、組織に対するマーケティング分析によって理解出来ます。経営層はもちろんこのことを知っていて、会社組織全体を見ながら、ライフサイクルのコアとなる成長期をより長くしようとやっきになります。
外部から新しい風を吹き込むべく、社外取締役を連れてきたり、大胆な人事異動を敢行したりと言った施策に出ます。働いている方とすれば歓迎すべき人事ではないことも、たまにあるかもしれませんね。
組織のライフサイクルの4段階
組織には4つのライフサイクルがあります。
①起業者段階 ②共同体段階 ③公式化段階 ④精巧化段階
とされています。
①起業者段階
会社を興した人、あるいはリーダーの創造性やイノベィティブな部分が先行するため、組織の管理といったことは軽視される段階です。組織の成長に伴い、彼らの個人能力だけに頼れない、あるいは管理しきれないシーンが訪れます。そうした壁を乗り越えるためには、経営管理の技術を持った、優秀なリーダーを呼び込んで、組織を再統合してもらわなくてはなりません。街のワンマン社長がこぢんまりとした会社を作っているのは、好き好んでやっているわけではなく、この起業者段階から組織が前に進まないからです。
②共同体段階
組織が強力なリーダーシップのもと再出発すると、組織内の活動が一定の目標に向かい、統合されていきます。これを組織の内部統合と言い、一つの共同体へと深化していきます。この段階では社訓などよりも、リーダー自身のカリスマ性、魅力で部下を引っ張り上げていきます。
③公式化段階
組織として、制度、規則、評価システム、手続きが明文化され、組織が官僚制的になっていく段階です。組織規模が大きく、また複雑化した段階では、組織管理そのものを行うスタッフが必要となります。組織よってはリーダーの目や耳、そして声はより神様のお告げのようなものに変わっていきます。
④精巧化段階
組織の規模が拡大しすぎると官僚制の逆機能が発生します。官僚制の逆機能とは、規則ありき、責任回避、秘密主義、極端な保守傾向、権威主義的傾向など、いわば組織が硬化し柔軟ではなくなった状態を指します。こうして官僚制は危機に陥りますが、この危機に対し、組織は多数の部門に分類され、小規模組織化し、柔軟性を保とうとします。分権化と権威移譲が進み全体のバランスが再調整されていくのです。
組織文化の変革など組織の再活性を図り、組織崩壊という憂き目に合わないようにする必要があるのが、この精巧化段階です。
これらの段階は、組織の成長プロセスでもあります。一つ一つ段階を上っていくためには、それぞれの段階における「壁」を乗り越えなくてはなりません。
まとめ
自分の組織がいまどこのサイクルにいるのかを知っておくと、組織がどのような目標を立て、どういった戦略を取り、どこへ向かおうとしているのか。その中で自分がすべきことが何か、分かってくると思います。
もっと言うと、将来どんな問題が起き、その問題をどうすれば解決できるかを予測できるようになります。この予測は、経営者だけでなく、チームを率いているリーダーも同じです。チーム単位でも成長プロセスは基本的に同じです。