コンテンツなきプラットフォーマーの危機感。
コンテンツメーカーと、プラットフォーマー、どちらにもなれるとしたら、どちらを選ぶだろうか?
多くのweb業界で働く人は、「プラットフォーマー」を選択するだろう。
もちろん、それが正解だ。
Apple、Google、Amazon、Facebookと、いずれもwebを制する巨人たちは、コンテンツメーカーよりも遥かに巨大な企業となっている。
しかし、それにもかかわらず、プラットフォーマーは、常に存亡に怯えなければならない。
なぜかと言えば、プラットフォームはコンテンツよりも遥かに代替可能性が高いからだ。
例えば、「モーツアルトの楽曲」を思い浮かべてほしい。
モーツアルトの楽曲は世界で最も優れたコンテンツの一つで、数百年に渡って演奏され続けている。
しかし、そのプラットフォームは次々と変化してきた。
宮廷音楽に始まり、演奏会、コンサート、ラジオ、テレビ、ポータブルオーディオ、そしてストリーミング……
コンテンツはプラットフォームよりも遥かに長命でありえる。
したがって、本質的な力関係は、プラットフォームよりもコンテンツが優位なのである。
逆に言えば、力を持つコンテンツは、プラットフォームよりも遥かに力を持つ。
現代のプラットフォーマーはそれを知っているからこそ、プラットフォームを制した後は「コンテンツ作成」にお金を使う。
Amazonは最近になって、次々とドラマを作り始めた。オリジナルの番組だ。
そしてアップルも同様である。
Appleとスピルバーグ、『世にも不思議なアメージング・ストーリーズ」をリメークへ
Wall Street Journalが報じた新たな契約がそんなニーズを満たしてくれるかもしれない。Appleは映画界のミスター・マジック、スティーブン・スピルバーグの作品を自社プラットフォームに持ち込もうとしている。
ほんとうの意味での「コンテンツメイキング」は、プラットフォームの構築よりも遥かに大きな意味を持つ。
プラットフォーマーが危機感を持つのは当然だ。
Facebook、Googleはその点において、AmazonやAppleに立ち遅れている。
勝負の決着は、10年以内につくだろう。