ベセルレス、ここが使いにくい3つのポイント
iPhone Xが発売されたことで「ベゼルレスデザイン」は2017年のスマートフォンのトレンドになりました。AndroidではiPhone Xに先駆けて、グーグルの元幹部アンディ・ルービン氏のEssential社から「Essential Phone」、サムスンの「Galaxy S8」がベゼルレスを採用したモデルを発売。さらに、今後はソニーのXperia XZ2も極細のベゼルになるリーク画像が話題になっています。
テレビもベゼルレス化している家電のひとつですが、テレビであれば(現状のところ)指でタッチする必要がないので、画面を広くしても問題ありません。しかし、指による操作と持ち運びが必要なスマートフォンのベゼルをなくすことは、UI/UXの視点からは「使いにくい」という評価もあります。
ネットの声に耳を傾けながら、ベゼルレスのデメリットを3つの観点から指摘しつつ、そのデメリットを回避する方法などを考察します。
問題その1:指で画面が隠れる、指が届かない
iPhone Xは縁がないゆえに、スマートフォンを持ったときに「指で画面が隠れてしまう」、あるいは画面が広すぎて片手で操作したいのに「指が届かない」問題があるようです。タブレットのように、両手で操作しなければならないシーンが増えるとのこと。
また、ホームボタンをなくしたことにより、iPhone Xはさまざまなジェスチャーを覚えなければならなくなりました。これも画面が広がることで逆に使いにくさが増えた一例といえるでしょう。
Galaxy S8の場合は、曲面デザインを採用しているため、側面にも情報が表示されます。先端的ではありますが、ここまでやる必要があるのか若干疑問を感じます。
指で隠れてしまう問題に対しては、持ち方にもよると思いますが、画面の縁を隠さないように持てば問題ありません。ベゼルレスのスマートフォンユーザーには、従来の機種とは別の持ち方が求められそうです。
つまり本体自体は持ちにくいかもしれませんが、アクセサリーでこの問題は解消できるのではないでしょうか。
たとえばブックカバー型のケースであれば、大画面を最大限に使いつつ、グリップの面でも問題がありません。「本体のデザインをそのまま活かして持っていたい」ユーザーにはおすすめできませんが、アクセサリーの活用によって解決できる問題かもしれません。
問題その2:強度が不安
もともとベゼルは縁を保護するためにあります。したがってベセルをなくしてしまうと強度が弱くなり、各メーカーは強度を上げるための努力をしています。しかし、iPhone Xは、背面もガラスの素材です。前面は無事でも背面が割れる可能性があります。特に長方形の本体を角から落とした場合には、見事にひびが入るようです。
米国の消費者団体による『Consumer Reports』では、iPhone Xの耐久試験の結果、3台のうち1台が100回の落下後にガラスにひびが入り、2台は50回の落下後に誤作動を起こしたことを報告しています。ディスプレイやカメラが優秀であるにも関わらず、iPhone Xは割れやすさの点からiPhone 8/8 Plusより評価を下げています。
対策は、やはりケースに入れて使うとともに「やさしく」取り扱うことが必要かもしれません。ジーンズの後ろのポケットに無造作に押し込んで使うような、カジュアルな使い方は避けたほうが無難です。
参考サイト(英語):
CR’s Final iPhone X Test Results: Top-Scoring Camera and Display But Also Some Flaws
問題その3:コストが高い
これまでベゼルの部分には、センサーからの静電容量や圧力の情報を収集するICを配置していました。しかしベゼルが狭くなることによって、ディスプレイのガラスの上にICを一体化するような高度な技術が使われてきました。高度な技術を活用しているため、価格も上がります。
iPhone Xも112,800円(税別)からと高い価格です。しかし、2018年には安価なベゼルレスデザインのiPhone Xが登場するだろうと、Apple社関連の予測では信頼のあるKGI証券のアナリストが考察しています。
多くのガジェットは新しい市場が生まれたときには高価格ですが、競合するモデルが登場すると競争原理によって価格が下がります。また、技術の進展によりコストダウンが可能になることもあるでしょう。
コストが高い問題については「時機を待つ」しかないかもしれません。
参考サイト(英語):
KGI: Apple adding 6.5-inch OLED and 6.1-inch LCD bezel-less iPhone to lineup in 2018
ベゼルレスは今後トレンドになり得るか
携帯電話の時代からスマートフォンへ、さまざまな本体デザインの歴史がありました。ガラケーの時代には「2つ折り」と呼ばれる物理的ボタンと画面を上下に配置して、真ん中で折りたためるデザインが好まれました。
ベゼルレスデザインはスマートフォンの画面ではデフォルト(標準)になるのでしょうか。あるいは、まったく別のUIが登場する可能性もあります。
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