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東京五輪こそがAI先進国になる絶好のチャンスである3つの理由

2020年の東京五輪では競技や大会運営のみならず、東京の至るところでAIが活躍するでしょう。観光、交通や思わぬ分野で新たなAI技術が開発されます。これまで日本は国ぐるみでAIに取り組む政策は乏しかったものの、東京五輪はAI先進国となるチャンスであり、高齢化、人口減少を迎えながらもAIによって経済大国となる可能性も秘めています。

 

 

各国のメダル競争はAI技術の代理戦争

 

すでに競技ではAIの効果が実証されています。リオデジャネイロ五輪で全日本バレーボールチームは10台のデジタル端末をコートの周囲で活用していました。観客席の数箇所で試合を撮影し、専用ソフトですべてのボールの動きをデータ化。どの選手がどのコースにスパイクを打ったらどうなったか、を解析しました。
結果を監督のiPad端末に瞬時に表示し、どの選手が調子がいいのか、悪いのかが判断できます。それによって戦術変更、選手交代の指示を出していました。さらにAIの学習能力を利用して、相手エースがスパイクを打つコース、セッターがどこにトスを上げるか、を予測できるようになりました。
戦略に役立つのは、バレーボールに限らず東京五輪では、サッカー、バスケットボール、卓球などで当たり前に活用されます。シュート、パスコースやスマッシュの予測と指示がベンチワークになります。各競技ともiPad端末を持った監督、コーチが忙しそうにやりとりする光景が当たり前です。もちろん日本ばかりでなく、相手国もAIを十分活用してきます。いかに優れたAI技術を開発できるかが、メダルにつながります。

 

高度技術も数値化することで公正なジャッジ可能

 

選手側ばかりでなく、審判サイドでもAI活用が始まっています。国際体操連盟は東京五輪のスポンサーである富士通と「AI審判」の開発を始めました。白井健三のように高度なひねり技が多くなったため、完全に何回ひねったかなどの判定に役立てます。本番での導入を目指し試験が始まりました。
同じく新体操、シンクロナイズドスイミングなどの採点競技でも「芸術点」をAIによる公正な数値化が可能です。

 

プレスセンターには記者が見当たらなくなる!?

 

報道でもAI活用が始まっています。リオ五輪でワシントン・ポスト紙は自社開発の自動記事作成ソフトを使い、試合の結果、速報、メダル獲得数などをブログで掲載しました。こうした作業は、これまで多くの人数と時間が必要とされていました。ワシントン・ポスト紙はAIによって記者、編集者が試合分析、深い透察に時間を避けることができた、と利点を語っています。
米AP通信は2016年のマイナーリーグの試合内容を、やはり自動作成システムを使って配信しました。先発投手は誰、何回に四球と本塁打が出て、どちらが何対何で勝った、など簡単な試合経過を知るには十分です。AI記者は速報性では、はるかに人間を上回ります。

 

 

AIだから可能な新しいおもてなし観光

 

東京五輪組織委員会は「史上最もイノベーティブ(革新的)な大会にする」とのビジョンを発表しました。まさに東京がAI都市になるべく実務が始まっています。
英語や中国語など多言語で観光案内するロボットが東京都庁や展望室に置かれ実証実験を行っています。AI機能を持ち、相手の反応から学習し外国人観光客がどんな場所、イベントに興味を持っているかをデータ化します。
2020年には五輪と一緒に観光を楽しみたい外国人が、スマートフォンを片手に思わぬ場所を歩く姿が増えます。旅行会社が設定したコースではなく、SNSからAIが分析した外国人が行きたい場所、食事など自由に楽しめます。

 

 

交通、治安維持など社会環境が大きく進化

 

羽田空港、東京駅、五輪会場などに設置される警備ロボットの実験も始まっています。画像認識ソフトから不審者、テロなどの指名手配者を顔認証し、治安の維持に役立ちます。
AI先進国として有名なシンガポールで富士通研究所はイベント、スポーツ、商業施設で人の混雑を緩和する実証実験を2017年末までの2年間実施しました。NECも地下鉄やバスのデータから、不審人物や危険を予知するAIを開発しています。
日本ではプライバシー保護の立場から道路や交通機関の行列画像などは提供できません。シンガポールでは積極的に開示しているので、研究も進みます。こうした成果が2020年につながります。

 

AIに積極的に取り組んでメダルを多数獲得し、先進的な観光立国を達成。同時に社会構造を充実させることで、日本はAI先進国となることが可能です。介護や福祉などアフター五輪の日本の未来のため、世界の先進国が抱える共通の課題、「高齢化」「人口減少」の問題をAIで解決する道筋が開かれます。日本の10年後、20年後の経済発展には、東京五輪でのAI技術の成功が欠かせないのです。

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