IoTの次は“IoB”?インターネットと身体が繋がる未来とは
昨年からIoTに関する最新情報を何度か配信してきましたが、ここ最近で私たちの身体がインターネットに繋がることを指す、IoB(Internet of Bodies)という新しいトレンドが出てきています。
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昨年9月21日、米国のワシントンDCにて開催されたシンクタンク「アトランティック・カウンシル」で、IoBに関する講演とパネル討論が行われました。 この講演では、ノースイースタン大学のアンドレア・マトウィーシン教授がIoBのフェーズとリスクについて述べています。
今回は、そんなIoBの概念やフェーズ、そしてIoBにおけるリスクをご説明いたします。
IoBとは
IoBはInternet of Bodiesの略称で、インターネットが身体に繋がる状態を示す言葉です。IoBは体外に装着したウェアラブルデバイスだけではなく、体内に取り付けるペースメーカーなども含まれます。マトウィーシン教授によるとIoBには3つのフェーズが存在します。
第1フェーズ:ウェアラブル
マトウィーシン教授はIoBの初期段階を「定量化」の段階と述べています。定量化と名付けた理由としては、身体に触れるデバイスにより自身の状態を数値で可視化できるからです。
具体例としては、身体にデバイスを身につけることで睡眠の質や心拍数、運動量といった計測を行うApple Watchなどが挙げられます。
また、2017年8月には米国のテキサス大学ダラス校にて、伸縮やねじれで電気を発生させる先進的な糸、ツイストロンを開発したことを発表しています。今後はウェアラブルデバイスだけでなく衣服にもテクノロジーが取り入れられ、より身近なものがウェアラブルなモノになってゆくことでしょう。
参考:新電力ネット運営事務局のウェブサイトより
第2フェーズ:体内内蔵型
この段階は「体内化」の段階です。 実際の例として、ペースメーカーのような体内内蔵型デバイスはすでにこの段階まで到達しています。今後このような一部器材が体内に組み込まれる事例が増えていくことでしょう。
第3フェーズ:ウェットウェア
この段階は、私たちの脳にデバイスが接続されることを指します。「ウェットウェア」とは、ハードとソフトという湿気等の水分が一切ないドライなものに対し、血というウェットな液体を持つ人間の頭脳を意味する言葉として、その名が付けられました。
このフェーズまで到達すると、日本で有名なアニメ作品『攻殻機動隊』や映画『マトリックス』のような近未来的な世界観に近くなるでしょう。
IoBにおける3つのリスク
IoBの概念は大体おわかり頂けたと思うのですが、IoBが進んでいく中でリスクも考えられます。上記のイベントでは、マトウィーシン教授の基調講演後にパネル討論も実施され、以下3つのリスクが討論されました。
1. サイバーテロ
サイバーテロリストがあなたの体内デバイスを通して不正に侵入し、デバイスを悪用する可能性があります。そうすると、そのサイバーテロリストがあなたに対して恐喝をする可能性があります。
2. 責任の所在が不明確に
IoBデバイスの誤作動等が生じた場合、その責任対象が本人なのか、それともデバイス開発者になるのか、責任の所在が曖昧になる可能性があります。
3. 盗聴・情報漏えい
上記でお伝えした第2、第3フェーズに到達すると、眼球や耳、または脳がデバイスと接続した場合、その部分に侵入されたら盗聴されたり、情報が漏えいする可能性が出てきます。
まとめ
今回は、IoTの次に来るバズワードと言われているIoBについてご紹介いたしました。2007年にiPhoneが発表されるまで私たちは自分のポケットにGPSや24時間インターネットに接続された機器を持ち歩くことなんて考えもしなかったと思います。
それから約10年で、その考えもしなかったことが当たり前になった事実を考慮すれば、私達の身体に通信デバイスが埋め込まれ、次世代の身体を手にしている未来はそう遠くないのかもしれません。
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