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1級建築士が語る!インテリアデザインでのBIM活用法

近年BIMが急速に普及してきています。BIMは3次元で設計を行う手法で、施主へのプレゼンテーションのクオリティーを大幅に上げることができます。しかし、多くの方は建築の提案としてのみBIMを使用しているのではないのでしょうか。しかし、インテリアも含めてトータルで設計を行い、プレゼンテーションを行うことで、より具体的で品質の高い提案を行うことができます。実際にスターバックスではBIMを使用して、インテリアを含めた設計を行うことで大きな成果を出しています。そこで今回は、実際にBIMを使って設計実務を行う1級建築士がインテリアデザインでのBIMの活用法を紹介していきたいと思います。

 

 

住宅には家具が命。BIMの活用でより生活を想像しやすく

 

まずは住宅に関することですが、BIMの話をする前に、住宅においてインテリアが非常に重要な要素であることを確認しておきたいと思います。

生活する上で家具は無くてはならない存在ですし、家具の提案無しでは、住宅完成後の生活イメージを上手く施主に伝えることができません。住宅の提案で一番重要なことは、施主に対して、住んだ後の生活を想像させるとこですから、その意味で家具は非常に重要な役割を担います。車のCMに子供がよく登場するのは、車を使った時に子供と楽しむ時間を想像させる為ですが、住宅においてその役割を担うのは家具と言っても過言ではありません。ですから、住宅を提案する時は家具の提案は忘れてはいけない要素です。

また、家具の提案を行うことで、住宅のスケール感をより明確に施主に伝えることができるメリットもあります。施主にとっては空間の広がりよりも、家具の大きさの方に親近感があるので、家具がプレゼンテーションに入ることで、建物のスケールをより具体的にイメージさせることができる場合が多いです。

そんな住宅に無くてはならない家具ですが、これもBIMで入力し、建物と同じように提案することが可能です。細かい寸法も忠実に再現できますし、素材感も表現することができます。家具メーカーの中には、BIMのデーターを用意しているところもあるので要チェックです。同じBIMを使った提案であっても、家具があるのと無いのとでは伝わり方が全く違いますので、是非実践してみてください。

 

 

店舗をBIMでデザインする

 

店舗デザインでは住宅設計以上にBIMが活躍します。従前、工事完了後に「こんなはずではなかった」という声を聞くことが多かった店舗設計ですが、BIMを活用し、早期にクライアントとのイメージの共有ができることで、手戻りを大幅に軽減することができるのです。

店舗は、住宅以上に一品生産の要素が強く、広さも高さも、使う素材も現場によって様々です。内装がメインになるので、法律の縛りも少なく自由度が高いので、逆に提案力を要するのが店舗設計の難しいところです。その為クライアントとの意見の調整が非常に重要になります。住宅と違ってパターンが存在しないのが内装設計の難しさですから、クライアントが何を求めているのかを、打合せを密にすることで把握する必要があります。

提案の難しい店舗デザインも、BIMを使用することで打合せ当初から具体的な案を用いて検討し、方向性を決めることがで、手戻りを少なくし、スムーズな設計業務を実現させることが可能です。BIMの無い頃はイメージ図を作り平面図や展開図で打合せをし、パース図を用いて最終確認を行うことが通常でしたが、パースを書くまで分からない事が多すぎて、手戻りが何度もありました。BIMが登場してからは、施主と設計士のイメージの共有がしやすくなることにより手戻りが非常に少なくなっています。

 

 

BIMで素材や照明の提案を行う!

 

住宅のインテリアデザインでも店舗のデザインにも共有することですが、BIMで一度インテリアを構成してしまうと、色や素材の変更がとても簡単に提案できます。また、照明の位置をずらすことで変わる雰囲気の検証なども容易に行うことができます。照明は特に、空間の雰囲気を決定する大切な要素ですし、工事が始まってから変更することは容易ではありませんから、事前に確認できると非常に便利です。

また、BIMを使うことで、アイレベルでの見え方を確認することができるので、例えば、「棚が少し高い」とか「この角度からだと商品が見えづらい」といった3次元で検討しないと分かりにくいことも事前に検討することができます。BIMが登場するまでは工事現場で検証していたような内容を早い段階で行うことができるので、クライアントの高い満足を得ることが可能なのです。

BIMを使うことの最大のメリットは、施主と設計者が早い段階でイメージを共有することができる点にあります。その為、施主と一緒にデザインを形にしていくことができるので、後戻りが非常に少なくなりますし、共同でものづくりをする感覚は、何物にも代えがたい喜びがあります。是非お試しください。

 

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