ディープラーニングのプログラミングを楽しむために知っておきたい事
テレビや新聞、Webメディア上で毎日といって良いほど、目にして聞いているAI(人工知能)。コンピューターの性能向上と相まって、スマホの普及、SNSの日常化、IoTの技術進歩など、肥大化してきたビッグデータの分析活用から、画像・音声・言語解析・処理と、様々な分野で注目されていますよね。
2010年代からを中心に、ある分野のエキスパートである人間に対して、AIが勝利するまでに至った技術進歩の裏には、ディープラーニングという手法が大いに関係しています。
第3次人工知能ブームという社会現象を引き起こしたディープラーニングのプログラミングを、これから学ぼうと思っている。そんな方のモチベーション向上になるような内容を、今回はご紹介していきたいと思います。
ディープラーニングを簡潔に
機械学習という学習方法がありますが、この学習方法を発展させた方法が深層学習(ディープラーニング)です。学習という名称からも、勉強する方法ということになります。
何百・何千万という膨大なデータから、そのデータの特徴を自らが学び、規則性や関連性を引き出す学習方法です。
子どもに例えると、人間が学習方法を指示する必要がある機械学習は、小学生に対して丁寧に説明して勉強をさせる方法だとすると、深層学習(ディープラーニング)は中学生に対して、課題を与えるから後は自分で考えて解決してね。という考えに似ています。
今までの活躍ぶり
コンピューター囲碁プログラムであるAlphaGo(アルファ碁)の強さの根源ともなっています。初代バージョンである「AlphaGo Fan」が、プロ棋士相手に5戦5勝と快挙を成し遂げ、ハンデなしで人間を初めて破った囲碁AIとして世界中のメディアから注目を浴びました。
その後も、Lee、Master、Zeroと毎年進化を重ね、プロ棋士達を相手に無類の強さを誇っています。また、「AlphaGo Zero」は自己対局のみで学習するほどに進化を遂げ、40日の成長の後、前バージョンである「AlphaGo Master」に完勝し、世界最強棋士になったほどです。
現状の技術開発
現在、ディープラーニングにもっとも力が注がれている分野として、自動運転技術が大きな注目を浴びています。
世界中の多くの企業がしのぎを削って実用化に向けて開発を進めており、自動車メーカーのみではなく、GoogleやAppleなどの大手IT企業も技術提携という形で開発に挑んでいます。
自動車業界というビックビジネスに、ディープラーニングを通じてテクノロジーを生み出す企業として名乗り出ていると言うことですね。人の命を預かり守る必要がある自動運転というシステム。IT業界より格段に高い精度が求められる技術の研究にも、ディープラーニングが活用されているのです。
これから期待される分野
医療分野では医療診断支援システムとして、今後の変革が期待されています。
ディープラーニングと自動診断システムと表現でき、レントゲン、CT、MRIや細胞診など、医療診断を手軽に受けられる機会が増えていますが、その医療画像から結果を判断することを、ディープラーニングの技術に期待されております。
意図的に学習データを作成できない分野ですが、元となるデータが圧倒的に少ない状況でも、高い精度で判断できるよう研究が進められています。
言葉の壁も越えられる
訪日外国人増加を意識して、2020年の東京五輪・パラリンピックまでに高精度の同時通訳システムの実用化に向け、政府が主体となり開発が進められています。
言葉一つとっても、異なる意味にもなり、前後の繋がりによって初めて意思疎通が通じる。そんな様々な表現にも対応できるのも、ディープラーニングの飛躍的な進歩のおかげです。
既に成田国際空港やJR西日本では、パナソニック社が提供するメガホン型多言語音声翻訳サービス「メガホンヤク」が導入されています。また、個人ユーザー向けには、ログバー社が発売している、スティック型の音声翻訳機 ili(イリー)も注目を集めています。
様々な分野で、今後も進化が期待されているディープラーニング。AI業界で人の役に立つシステムに触れてみたい。と思ってこれからプログラミングを学ぼうと思っている方もいるはず。
ディープラーニングのプログラミングは難しいと言われていますが、ぜひITだけに留まらず、世界の最前線に位置する技術にチャレンジしてみて下さい。