無意識にしているかも!?Apple信者の特長をまとめてみた
Apple製品をこよなく愛している人は、「Apple信者」と呼ばれています。「気づけばApple製品だらけだ!もしかして自分はApple信者?」と思うことはありませんか?
逆に、カフェでリンゴマークのパソコンがずらっと並んでいると、「Apple信者だ」と思ってしまうこともあります。Apple信者と呼ばれる人は、iPhoneやiPadを持っているだけではなく、「熱狂的」「ジョブズを神格化している」などの特長があると思うのです。
Apple信者とはいったいなんなのか?
Apple信者の定義ははっきりしていない
Apple信者とはもちろん俗語ですし、明確な定義はありません。
Apple製品をこよなく愛し、「Apple製品が最高に優れている」と高く評価しているといった特長があります。また、Apple信者の最大の特長といえば「熱狂的である」ということではないでしょうか。
パナソニックや日立が好きでも「信者」とはいわれない
特定のメーカー愛好家に「信者」とつけるなら、パナソニックや日立を熱狂的に好きな人も「信者」と呼ばれるはずです。
Apple創設者のジョブズだけではなく、パナソニック創立者の松下幸之助さんや日立創設者の小平浪平さんをはじめ、製品だけではなく経営手法を高く評価された創設者だってたくさんいます。
ジョブズのように、創業者に関する書籍もたくさん出版されています。
「我が家の電化製品はPanasonicで統一している」とか、「創業者の小平さんを崇拝しています」という人だっているでしょう。
でも、彼らは「信者」とは言われませんよね。Apple製品のマニアだけが、「Apple信者」といわれています。それはどうしてでしょうか?
一部の“Apple信者は”非Apple信者を「貧乏人」と攻撃する
その要因の一つと言えるのが,Appleファンの「カルト的」ともいえる熱狂ぶりにあります。
2011年にBBCが放映したドキュメンタリー「Secrets of the Superbrands(スーパーブランド)の秘密」では、Apple信者と呼ばれる人たちはApple製品の画像を見るた時の脳の活動をMRI分析したところ、「敬虔な信者が宗教的なものをみた時」に近しい反応を起こすという結果が発表されました[1]。
また、ノートルダム大学客員教授であるブレット・ロビンソンの著書『Appletopia』では、スティーブ・ジョブズのマーケティング・ブランディングにおいて宗教的なメタファーとイコン(隠喩と図像)を巧みに用いていると発表し,2013年にLos Angeles Timesがこれを取り上げています[2]。
Apple社の振る舞いは、(それが意識的な戦略なのか無意識的な行動かは別として)非常に熱狂的なファンを生み出しやすい性質を帯びていると言えるでしょう。
実際、少しインターネットで調べてみると、
「Apple以外のPCを使っている人が信じられない」
「Apple製品を持っていない人は貧乏」
などと、非Apple信者を挑発するような言葉を見かけますよね。
もちろん一部なのですが、Apple信者は非Appleユーザーを「下に見る」ような特長があり、ネット上では熱く議論されることもあります。こういう時に「Apple信者はうざい」と言われてしまうのでしょう。
Appleのブランド戦略が大成功した
Appleといえば、直営店「アップルストア」やわかりやすくシンプルなデザイン、コンセプトの一貫性などの特長により、ブランディングに大成功しています。
電気量販店でも、「Apple製品は他のメーカーとひとくくりにしたディスプレイはNG」とApple社からお達しがあるくらい厳しいんです。
だからこそ「Apple信者」が生まれたわけですが、Appleは「互換性」をなくすことで他メーカーへ乗り換えにくい特長を持っています。この面でも、「Apple製品以外使えない、使う気にならない」という考えを持った熱狂的な「Apple信者」を作り出したのでしょう。
あなたは当てはまる!?Apple信者の特長まとめ
「Apple語録」を無意識に連発
スマホではなく「iPhone」
Apple信者の中には、「iPhoneとスマホは違う」とか「iPhone以外はみんな一緒」とか、iPhoneを評価しすぎるあまり他メーカーのスマホと一線を画したがる特長があります。
これは、Apple社がプロモーションの中で「iPhoneか、もしくはその他大勢か」という問いかけをしたのがきっかけと思われます。iPhoneのデザイン性を下げないために、キズがつくのを覚悟で「スマホカバーなしの丸裸」という使い方にこだわるのも、Apple信者の特長といえるでしょう。
たしかにiPhoneは他メーカーにはないような面白い新機能を続々リリースしています。私も「Live Photos」をはじめてみた時は驚きました。
ただ、一方で「Siri」の性能はいまひとつで、アメリカでもGoogleよりも「悪い」という評価を受けています。人工知能は情報量が大事ですから、ブラウザの普及率が高く情報量が多いGoogleのほうが有利になっているのでしょう。
「プロはMacしか使わない」
クリエーターやデザイナーの人たちはMacユーザーが多い印象がありますよね。それにくらべてWindowsはWordやExcelといった文書作成や会計(計算)が得意なソフトウェアが多く、「オフィスワーカーの人はWindows、クリエーターはMac」という「なんとなく」のグループ分けみたいなものがあります。
実際に統計情報を見てみると、この印象はある程度現実を反映しています。
まず、インターネット上の様々な市場シェアを調査するNet Applicationsによれば、2020年2月段階でのOSのシェアはWindowsが88.2%に対しMac OSが9.42%であり、圧倒的にWindowsのシェアが多いことが窺えます。[3]
しかし、一部の業界に注目すればその限りではありません。
毎年世界中の開発者・エンジニアを対象に大規模なアンケートを行うStack Overflowの2020年度の報告によれば、開発者の主要なオペレーティングシステムはWindowsが45.8%、Mac OSが27.5%となっています。
もちろんWindowsが根強く人気であることは変わりありませんが、一般に比べて Apple製品の所有率が高いことがわかります。[4]
Macを愛用している人は、「Windowsより起動が早い」「ショートカットが便利で使いやすい」といったところが主な理由です。
ビジュアルの意識が高いクリエーターの中には、「Macのほうがフォントがきれい」という意見もあります。
ただ、クリエーターがMacを愛用して「Mac信者」となる理由は、別のところにあります。それは、「昔の印刷業界ではMacでしかデータが提出できなかった」という背景があるようなんです。
DTPが普及した今では、もちろんWindowsでもデータは提出できます。また、昔と違ってWindowsだってフォントの美しさも解決できます。
つまり、「プロはMacしか使わない」というよりは、「プロはMacを使っている人が多い」というのが冷静な意見だと思うんです。
ですが、先人のクリエーターたちがMacのみを使っていた業界なら、今のクリエーターも「Macひとすじ」の人がいても不思議ではありませんね。
「ジョブズは神様」と思っている
「ジョブズ信者」も根強い
ジョブズことスティーブジョブズを知らずしてApple信者とはいえません。ジョブズはかなり破天荒な人だったようですが、高いカリスマ性で世界中にApple信者を増やしました。
メガネや服装といったビジュアルだけではなく、プレゼン能力の高さはずば抜けたものがありますよね。
ジョブズは愛車やApple製品に対して「異常」と言えるほどのこだわりを持っていました。また、目的を達成するためのバイタリティが大きく、「この会社はガラクタを作っている」とキツイ言葉を言い放つこともあります。
もしかしたら、Apple信者が他のユーザーを挑発するような言葉を使うのは、ジョブズの影響かもしれませんね。
ジョブズ逝去の悼み方がほぼ「ポエム」
そんなジョブズですが、がんのため2011年に若くして逝去してしまいました。カリスマの死は信者にとって大きな悲しみには違いありませんし、多くのApple信者がTwitterなどでお悔やみの言葉をアップしています。
それ自体はごく普通の事ですが、「やたらエモい」としてApple信者の特長の1つとなっています。
具体的にいうと、
・地球が退屈になった
・ずっとリンゴをかじって生きてきた
・Apple製品はもう自分の体の一部
といったものがあります。
Appleのリンゴマークを意識したものなど、やはり「ポエム感」がありますよね。
ジョブズ亡きあとのプレゼンやApple製品が不満
ジョブズが逝去した後も、続々と新製品はリリースされています。ジョブズ信者はカラー展開を豊富にしたり、似たようなモデルをリリースしたりすることを嫌う傾向にありますので、最近のiPhoneには不満のようです。
「ジョブズが生きていたらこんなApple製品は生まれなかった」
「Appleの新製品は楽しみだけれど、ジョブズが生きていたらブチ切れるようなプレゼン」
など手厳しい意見を言うのもジョブズ信者の特長といえるでしょう。
Apple信者が夢中になるApple製品のメリット
以前はWindows派だった人が、新たにApple信者になる例も多く見られます。
「スタバでドヤ顔はしたくない」と思っていたのに、利用してみるといつの間にか虜になっています。これだけ、
人々を夢中にさせるAppleの製品は、どこに魅力があるのでしょうか。そのメリットを、具体例を挙げながら詳しく紹介していきます。
初心者や高齢者に優しいシンプルな機能
もともと、PCの操作に慣れた人であれば、どんなパソコンやスマホでも比較的スムーズに使いこなせるようになります。しかし、ITに苦手意識がある人は、機能が多すぎると混乱してしまい、やがて製品を使わなくなってしまいます。
Apple製品は、機能をできるだけシンプルに統一しているので、覚えることが少なくて済みます。初心者や高齢者にとっては、より使いやすい仕様になっています。
子供でも操作できる感覚的な入力デバイス
ITに苦手意識がある人にとっては、ドラッグやダブルクリック等のマウス操作も一苦労です。MacBook Pro等Appleのパソコンは、マウスよりもトラックパッドの操作感を重視しています。
操作の順番を覚えるのではなく、手の動きを覚えることで操作できるため、PC操作が苦手な人に適しています。
最近では、子供がタブレットやスマホを利用する機会も多くなりました。Apple製品は、大人が使用している様子を見て、子供がすぐに操作を覚えられます。感覚的な操作を重視することで、言葉を介さなくても、自然に使えるようになるメリットがあります。
パソコン、スマートフォン、クラウドサービスの連携
Windowsを利用している人にとっては、PCやスマートフォン、クラウドサービスの組み合わせが無限にあります。それぞれの機能のメリットやデメリットを比較して利用できる人にとっては、自分好みにカスタマイズできるため使い勝手が良くなります。
しかし、製品やサービスが多いと、それだけ迷いが生じることも事実です。その点、Apple製品であれば、PC、スマートフォン、クラウドサービスの連携に迷うことはありません。
サービスについて理解していなくても、iCloudが自動的に連携しデータのバックアップを取ってくれます。
一度利用したら離れられない、使用感の心地よさ
Apple製品は使用感に心地よさを感じるユーザーが多く見られます。一度、Apple製品を使い始めると中々抜けられないユーザーが多いのはそのためです。
具体的な例としては、起動の速さ、操作の快適さ、フリーズの少なさ等が挙げられます。使用感にこだわることで、ユーザーにストレスを感じさせず、Apple信者と呼ばれるファン作りに成功しています。
Apple信者が感じる最近のAppleに対しての不満
一方でApple信者の中には、最近のAppleに対して不満を抱く人も見られます。以前と違って、革新的なガジェットの発表が少なく、他メーカーを模倣する製品も増え始めています。
最近のAppleには、どのような変化が見られるのでしょうか。Apple信者が感じる、最近のAppleに対しての不満をまとめてみました。
スマートフォンにおける中国メーカーの台頭
最近のiPhoneは以前と比較して、注目度が落ちているように感じます。その理由として、中国スマートフォンメーカーの台頭が挙げられます。
例えばアジアを中心にITコンサルティングを手がける「アウンコンサルティング株式会社」の世界40カ国を対象とした調査によれば、アジア・南アメリカ・アフリカなどの22カ国においてAppleのシェアが3位に転落。より廉価なAndroid端末への移行は世界的な傾向であり、特に中国・フィリピン・インド・ブラジルなどの14の国では、Androidシェアは80%を上まわる状況となっています。[5]
当然各メーカーはこの機運を逃すはずもなく、Huawei、Xiaomi、OPPO、Vivoなど中国スマートフォンメーカーが競うように新製品を発表し、人々の注目を集めています。
中国製スマートフォンは、目新しい機能を持つだけでなく、スペックも向上しています。iPhoneとほぼ同等のスペックを持つにもかかわらず、価格面では圧倒的なアドバンテージを持ちます。
そのため、スマートフォンが普及し始めたインドやアフリカでは、Appleを上回るシェアを誇ります。
かつては新しいデザインや機能で、人々を魅了してきたAppleですが、最近ではそのデザイン性に疑問を持つ人も増えています。ジョブズなき今、再び革新的な製品が生み出される日をApple信者は心待ちにしています。
コストの高さへの不満
Apple製品は、同スペックの製品と比較して価格が高い傾向にあります。よって、コスト面を重視するユーザーは、Windows製のパソコンやAndroidスマートフォンを購入する傾向が見られます。
他メーカーの台頭に伴いシェアを奪われたAppleは、サービス部門で収益を上げようとしています。実際に、App Store、Apple Music、AppleCare、Apple Pay等のサービス部門は大きく売り上げを伸ばしています。
ただし、サービスの利用には月額使用料がかかります。iPhoneでは快適なサービスを追求するほど、ランニングコストが高くなります。
ユーザビリティの劣化
操作の快適さに定評を持つAppleですが、最近では不満の声が見られます。
例えば、最近のiPhoneでは、セキュリティ対策として顔認証技術である「Face ID」が搭載されています。
しかし、マスク着用率の高い日本では相性が悪く、指紋認証ができる従来機種を使う人も少なくありません。
また、キーボードの打鍵感にはユーザーの好みが強く現れます。Appleパソコンのキーボードはキーストロークが浅く、柔らかいタッチ感です。
ただ、入力する感覚の強いメカニカルキーボードを好むユーザーにはAppleのキーボードが好まれない傾向にあります。
Apple製品は、様々なユーザーの好みに対応するユーザビリティの面でフラストレーションを感じます。今後は、シンプルさとユーザビリティを両立する製品の開発が期待されます。
Apple製品は魅力的。でも他メーカーだって魅力的!
Apple信者といわれる人の特徴をまとめました。
Apple信者とは、単純に「気づいたらApple製品が増えていた!」というだけではなく、今回ご紹介したような特長があるのではと思います。
Appleはたしかにスタイリッシュで「イケてる」製品ではありますが、Windowsだってほかのメーカーだって「イケて」います。
ほかを批判するのではなく、他メーカーの「信者」ともなかよくお付き合いしたいものですね!
(2021年2月5日加筆)
[1]https://www.bbc.com/news/business-13416598
[2]https://www.latimes.com/business/la-xpm-2013-sep-01-la-fi-tn-how-steve-jobs-and-apple-turned-technology-into-our-religion-20130829-story.html
[3]https://netmarketshare.com/operating-system-market-share.aspx
[4]https://insights.stackoverflow.com/survey/2020#development-environments-and-tools
[5]https://www.auncon.co.jp/corporate/2020/0512.html