Facebookはもう古い?日本人開発のfreeCなど多様化する新たなSNS
SNSの中でも圧倒的な知名度を誇るFacebookですが、最近ではその人気に陰りが見られます。他の主要SNSであるTwitterやLINEも、世界におけるアクティブユーザー数は伸び悩んでいます。そうした状況の中、最近目立っているのが新たなSNSのリリースです。
この記事では以下の3つのことが分かります。
①Facebookの改善すべき点
②日本人開発のSNS「freeC」の紹介
③新たなSNSが採用すべき仕様
Facebookの改善すべき点
Facebookには改善すべきと思われる点がいくつかあります。特に、気になるのが以下の四点です。
・大きくて目立つ広告
・プライバシーについての懸念
・「知り合いかも」の機能
・オンラインサロンとの相性
それぞれの項目について詳しく説明していきます。
大きくて目立つ広告
SNSの経営を成り立たせるためには、運営側に収入を得る仕組みが必要です。その仕組みの一つが、依頼主からの広告を表示することです。しかし、ユーザー側にとってメリットは少なく、できれば表示してほしくないのが本音でしょう。
Facebookは一つひとつの記事の表示面積が大きく、広告も目立ちます。興味がない広告の表示を鬱陶しく感じてしまうことも少なくありません。
最近では、YouTubeが広告を表示せずに動画を視聴できる有料サービスを開始しました。Facebookでも広告を排除できるビジネスモデルの構築を考える必要がありそうです。
プライバシーについての懸念
Facebookでは多数の個人情報を記載できます。たとえば、名前、電話番号、メールアドレス、誕生日、職歴、学歴、居住地、出身地などです。これらの情報の共有範囲については、自分で考えて設定しなければなりません。一つひとつの項目について、細かく共有範囲を設定していく作業は面倒です。
さらに2018年9月には、Facebookにおいて数千万人単位の個人情報流出がありました。他にも、顔認識システムを使って、SNSアカウントが特定されるリスクもあります。SNSを運営する企業は、個人情報の取得や取り扱いについて、より厳格な規則を作成し遵守していく必要があります。
「知り合いかも」の機能
Facebookには「知り合いかも」の表示機能があります。しかし、自分の利用経験においては、この「知り合いかも」のユーザーが全く正確ではありません。全く知らない人々が多数表示されています。
さらに、Facebookの「知り合いかも」は自動機能であるため、完全に非表示にはできません。また、他のユーザーに「知り合いかも」として勝手に表示されてしまうという不満もあります。「知り合いかも」の機能をユーザー側でオフにできるような機能改善も、プライバシー保護の観点から検討される必要がありそうです。
オンラインサロンとの相性
有名人やブロガーが、限定的なコミュニティを作るためにオンラインサロンを開設することがあります。ほとんどのオンラインサロンで使われるSNSがFacebookです。公開範囲の設定やグループの作成といった機能があり、SNSの中ではオンラインサロンの運営に適していると言えます。
ただし、Facebookはオンラインサロンの運営に特化して開発されているわけではありません。記事の読みやすさや、求めている情報の検索といった機能は十分と言えず、この分野でのニーズを拾い上げる上でも課題が残されています。
日本人開発のSNS「freeC」の紹介
Facebook、Twitter、Instagramといった主要SNSの競争が激化する中、新たなSNSを開発しようとする動きが見られます。特に注目されているのが、目的に特化した機能を持つSNSの登場です。
例えば、日本に本社を持つfreecracyは「freeC」と名付けたSNSを開発しました。「freeC」は東南アジアにおけるビジネス利用に特化したSNSです。
ビジネス特化型のSNSとしては「LinkedIn」が有名ですが、「freeC」は東南アジアにターゲットを絞り、文化に適応した仕様を採用しています。例えば、表示される仕事情報の選別においては、ユーザーの興味や専門性といった分野の優先度が高くなります。また、企業へワンクリックで応募できる他、選考には履歴書やメールではなくチャットやビデオ通話が使用されます。
このような特化型のSNSは、次から次へと開発されており、爆発的な人気を得る可能性もあります。例えば、短い動画の投稿に特化した「Tiktok」や、匿名でメッセージを送信できる「Sarahah」などは、特に若い世代において知名度を獲得しています。
新たなSNSが採用すべき仕様
Facebookは現代において最も有名なSNSですが、その人気が続くとは限りません。事実、十年程前に日本で圧倒的な人気を誇っていたmixiは、利用率が急激に減少しました。
今後開発されるSNSは、シェアを獲得していくためにどのような機能を採用していくべきでしょうか。仕様の変化の傾向について予想します。
有用な情報が自動的に選別される
SNSでは、表示される情報がユーザーにとって有用であるとは限りません。利用者は情報を大量に閲覧しながら、自分で取捨選択する必要があります。そこで、各ユーザーに適した情報を、システム側で提供するアルゴリズムが求められています。
このようなSNSとしては、Deaps Technologiesが開発した「Deaps」があります。「Deaps」はAI(人工知能)を搭載したSNSで、利用者のニーズに応える観光情報が自動的に選別されます。今後は、このようなAIが様々なSNSに搭載されていくことが予想されます。
デマ情報の拡散を防止する
SNSにおいて、時に問題となるのが事実と異なる情報の拡散です。原因は、勘違いや悪意によるものなど様々ですが、伝達速度が速いため、瞬く間に情報が拡散してしまいます。このようなデマ情報の拡散の危険性については世界的にも協議されており、防止に向けて規約策定が進んでいます。
今後は、より誤情報の発信を防止しやすいSNSの開発が予想されます。例えば、デマ情報の傾向をデータベースに蓄積してAIによって特定するシステム等が考えられます。
正確な情報を簡単に投稿できる
SNSで文章を投稿する際には、正確な情報を調べることが重要です。例えば「今日は凄く寒い」というを気持ちを伝える際に、実際の温度が分かると閲覧者も納得しやすくなります。しかし、正確な情報を調べて投稿するのはユーザーにとって手間がかかります。そこで有用なのがSNSにおけるコマンド機能です。
例えば、「Peach」というSNSには「Magic Words」と呼ばれるコマンド機能が用意されています。前述の気温情報については「whether」とコマンドを入力すれば、ユーザーロケーションにおける天気と気温が表示されます。このように、簡単に正確な情報を引用できる機能は、利用者にとって大変便利です。
広告が表示されない
SNSを運営していくための、主な収入源は広告です。しかし、最近ではユーザーのトラッキングデータの扱いに関して規制が進む傾向にあり、広告効果の低下が懸念されます。そこで、新たに開発されるSNSの一部は広告表示に代わる収入源を模索しています。
例えば、Facebookの考え方に反対を表明しているSNSの「Ello」は、広告が全く表示されません。今後についても、ポリシーとして広告の非表示を続けていくことを約束しています。トラッキングデータを収集する必要もないため、個人のプライバシーを守りやすくなります。
普通の人が活躍できる
最近のSNSでは、インフルエンサーと呼ばれる人々が登場しています。SNSで数多くの支持者を持ち、大きな影響を与えるユーザーを指します。インフルエンサーと普通の人では、同じ情報を発信しても拡散される可能性が大きく異なります。
そこで、誰もが同じ立場で評価してもらえるSNSとして「Sola」が登場しました。「Sola」にはフォローという概念がなく、全ての人の投稿が対等に扱われます。さらに仮想通貨による評価制度の機能を搭載し、有用な情報を発信することで利益を得られます。
まとめ
Facebookを利用していますが、個人的に不満が多く、新たなSNSを探しています。調査してみると、様々な機能を搭載したSNSがリリースされており、その多様性に驚きました。
SNSを新たに開発していく「freeC」のような動きも、世界中で多く見られます。SNSが多様化してユーザーの選択が進むことで、より洗練されたSNSが登場することを期待しています。
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