香港やヨーロッパ19か国でApple WatchのECGアプリが利用可能に
2019年3月27日、WearOS 5.2のソフトウェアアップデートにより、香港やヨーロッパ19か国でもApple Watch Seriesの「ECGアプリ」および「不規則なリズム通知」が利用可能となったことが発表されました。
以前この機能はアメリカのみ使用可能な機能でしたが、ついに中国、フランス、イギリス、イタリアなどでも利用できるようになったのです。
このECGアプリを利用するにはアメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)に対する認可がまず必要となり、さらにヨーロッパ圏ではCEマークの取得が要されます。そのためアメリカでのリリース時から期間をあけてのアップデートとなりました。
ECGアプリと不規則なリズム通知の機能とは
ECGアプリはApple Watch Series 4のみ利用できます。Apple Watch Series 4に搭載されているデジタルクラウンとバッククリスタルの電極により心拍数が記録され、iPhoneのヘルスアプリにて記録されます。この際、心房細動を予期する動きを観測すると通知が送られるため、即座に異常に気付くことが可能です。またヘルスアプリのデータを医師にPDFで送ることもできます。このECGアプリは、ゴールドスタンダードの12誘導心電図で計測した心房細動の87.8%を観測できたというほど性能面も確立しています。
不規則なリズム通知機能はApple Watch Series 1以降で利用可能です。光学式心臓センサーによって心拍数を計測し、65分に5回不規則なリズムを観測すると警告が表示されます。この機能はAppleが有するApple Heart Studyという機関の下で研究されました。この研究は約40万人の実験データをもとに行ったもので、同分野では過去最大のスクリーニング研究とされています。
リリース1週間でECGアプリによって命を救われた事例が発生
そしてリリースから1週間という短期間でヨーロッパで効果が発揮されたとのニュースが舞い込みました。
Heute in der E-Mail. #Apple #Watch #EKG: pic.twitter.com/AuHnW0dAM2
— Dr. Michael Spehr (@MicSpehr) 2019年4月2日
上記Twitterはドイツの新聞社であるフランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)の記者による投稿です。この記者あてに匿名で「ECGアプリによって命を救われた」との連絡があったというのです。匿名のユーザーはECGアプリによる心房細動を予期した通知を受け取っており、実際に病院にて診察を受けたところApple Watchの測定結果通り心房細動が検出されというのです。
上記ニュースはECGアプリの優れた性能を裏付ける一例となりました。ECGアプリの今後の医療分野での活躍に目が離せませんね。
日本でのリリースは未だ発表されていませんが、リリースがいつになるのか、今後注目していきたいところです。
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