Sign In with Appleとは?メリット・デメリットを完全解説
この記事を読むと以下の3つのことが分かります。
1、Sign In with Appleとは?
2、Sign In with Appleのメリット
3、Sign In with Appleのデメリット
4、Sign In with Appleの注意点
以上のことを抑えれば新しい技術Sign In with Appleについての基本的な知識については十分です。まずは、Sign In with Appleとは?について解説していきましょう。
Sign In with Appleとは?
Sign In with AppleとはAppleが2019年の6月3日にWWDC内で発表した新しいサービスのことです。
ちなみにこのWWDCというイベントではAppleが毎年OSのアップデートを発表するのが恒例となっています。このイベントの中でAppleが発表したSign In with Appleは大きな反響を呼びました。
さて、このSign In with Appleについてですが、一言で言うと「Apple IDを使って第三社が提供しているアプリやサービスにログインできるようにする機能です。
例えば、FacebookやGoogleなどのサービスです。これまではFacebookやGoogleにログインする際には登録したメールアドレスやパスワードを入力する必要があったのですが、Sign In with Appleが導入された以降はApple IDでログインができるようになります。
極論を言ってしまえば、Apple ID1つで色々なサービスにログインできる機能。
ということです。
例えばですが、今ですと、ウェブ上のサービスやショッピングサイトに会員登録する際に「Facebookでログインする」「Twitterでログインする」のような項目を見たことはありませんか?
あのような形でSign In with Appleを使ってApple社以外のアプリにもApple IDでログインできるようにするのがSign In with Appleの仕組みというわけです。
Sign In with Appleのメリット
セキュリティ面が非常に安心
まず、一番大きなメリットはセキュリティ面で非常に安心できるということでしょう。
先ほど触れたように、Sign In with Appleに似た機能をFacebookやGoogleも提供してくれてはいます。しかし、FacebookやGoogleは信じられないほど個人情報を収集しています。
これはユーザーにとってあまり気持ちのいい話ではありません。
一方でAppleは個人情報トラッキングしないことをホームページ上で明言しています。これは利用者にとって大きな安心を生むでしょう。
メールアドレスをアプリ開発者に教えなくてもいい
Sign In with Appleを使うと、自分のApple IDのアドレスをアプリ開発者側に教えるか、教えないかを選択することができます。
もし、メールアドレスを教えないことを選択した場合は、Apple側がランダムにメールアドレスを作成して開発者側に知らせるため、開発者側に自分のメールアドレスを知られることはありません。何か連絡がある際にもそのAppleが作成したメールアドレスを経由して転送されます。
そのアドレスへのメール配信を止めることも可能なようです。これは非常に便利ですよね。
アプリ開発者へ自分の情報を相手に知らせることなくログインが可能になれば安心感も増します。
Appleは個人情報にそれほど興味がない
これは、Sign In with Appleの仕様上のメリットと言うよりもAppleの企業上の理念からもたらされるメリットです。
例えば、GoogleやFacebookはユーザーの学歴や、名前、国籍、などのデータを集め続けることで広告運用などに生かしているため、ユーザーの個人情報の収集は必須とも言えます。
しかし、Appleはそのようなビジネスを行っていないため、全く必要ないとは言わないまでも、Appleにとってユーザーの個人情報はそれほど重要ではありません。
そのため、Sign In with Appleを提供して、ユーザー情報が完全に匿名化されたとしてもApple側としては全く問題ないわけです。
普段からユーザーのプライバシーについて気にしている発言が多いAppleですが、ビジネスモデルから考えてもAppleがSign In with Appleを使って個人情報をGoogleやFacebookのように勝手に収集するというのはかなり考えにくいでしょう。
サードパーティー製アプリを使う際には最上部に表示される
FacebookやGoogleを使ってログインすることも引き続き許可するようですが、それに加えて、Appleユーザーとして嬉しいのはログインの許可はSign In with Appleの項目が一番上に来ることです。
Apple側からアプリ開発者にそのような指示がされているようですので、アプリ開発者は以下のような順番でログイン許可を出す際の順番を並べる必要があります。
【例】
Sign In with Appleでログインする
Facebookでログインする
Twitterでログインする
上記のような感じです。この順番で並べることにより、Sign In with Appleの存在自体を知らないAppleユーザーでもSign In with Appleの存在を知り、使いこなすことができるようになるでしょう。
また、Appleも、ユーザーのプライバシーを強化していることを全面的にアピールできるためメリットがあると言えます。
ただし、この仕様は米国で独占禁止法では?というような論争を少し呼んでいるようです。ユーザー側としてはプライバシーがダダ漏れのGoogleやFacebookではなくAppleの方が信頼できますので、どうにかAppleには批判に負けずに頑張ってもらいたいものです。
参考:https://developer.apple.com/design/human-interface-guidelines/sign-in-with-apple/overview/
2ファクタ認証を採用しているため安全性は抜群
2ファクタ認証とは簡単に説明すると2段階認証のことです。Sign In with Appleを使ってログインする際には、
1、ユーザー名とパスワードでログイン
2、Touch ID、もしくはFace ID
の2つの段階を経てログインを行うことになります。Touch IDとFace IDに関しては慣れれば高速でロック解除できるめ、Sign In with Appleが提供された後は、非常に簡単に様々なサービス(アプリ・ウェブサイト)にログインできるようになるでしょう。
全てのApple製品で機能する
これぞApple!
と拍手喝采してしまいそうになります。Sign In with Appleは主なApple製品の全てで利用できるようになります。
主な製品とは、
・iPhone
・iPad
・Mac
・Apple TV
・Apple Watch
の製品です。
MacやiPhoneなどでも利用ができるというのは想像できるのですが、Apple TVやApple Watch上でも利用可能にしてくれるというのに驚きました。
ハードウェアとソフトウェアを世界最高水準で作り続けているAppleだからこそ作り上げられるシステムと言えるでしょう。
Sign In with Appleのデメリット
あまり存在しませんが、次にSign In with Appleのデメリットをあげていきたいと思います。
個人的に、というか国際的に唯一の問題点として挙げられているのが、Sign In with Appleは独占禁止法に違反しているのでは?という指摘です。
Sign In with Appleは素晴らしいサービスですし、サービス自体はFacebookやGoogleも実施しているものではあるのですが、Appleは開発者に対して、Sign In with Appleの設置を最上部にするように指示しています。
これは絶対ではないようなのですが、開発者さたちはこの指示に従うものとみられています。結果として、それはSign In with Appleを使ったAppleの独占になるのでは?という見方があります。
我々、ユーザーにとってはSign In with Appleは非常に便利なものになりますし、Apple側も開発を進めてくれているのはありがたいのですが、Sign In with Appleが独占禁止法に触れていると仮に騒がれ始めると、仕様が変わってしまう可能性があることは知っておいたほうがいいでしょう。
注意点
ここまで解説してきた素晴らしいサービスのSign In with Appleですが、実装は2019年の後半だとされています。
10月ごろから順次、iPadOSやmacOSがアップデートされていく予定ですのでそれに合わせて実装される可能性が高いです。
ただし、繰り返しにはなりますが、Sign In with Appleはまだリリースされていないことと、この記事を書いている時点の情報はあくまでもリリース時のものです。
それを踏まえた上で、新しい技術であるSign In with Appleの登場を待ちましょう。
まとめ「便利な機能だけど・・・」
Sign In with Appleとは?
ということで気になっている方々向けにここまで記事を書いてきました。主なメリットとして「セキュリティの向上」「プライバシーを守ることができる」などを書いてきましたが、少し難しい部分もあったのではないでしょうか?
セキュリティやプライバシーについては重要なことは理解しつつも、どうしても理解することを避けてしまいがちです。実際、私もこの記事を作成しながら、理解を深めていきましたがApple製品にそれほど興味がない方々にはどうやって解説しようかなぁ、とちょっと悩みました。
でも、そんな心配は一切ありません。
なぜなら、Appleは世界一ユーザーフレンドリーな会社だからです。Appleであればユーザーにセキュリティやプライバシーを守ることの重要性を意識させずとも、Appleに任せていればきちんとした管理のもとそれらを守ってくれます。
そのための技術がSign In with Appleというわけです。リリースが始まったら、Appleに身を委ねてSign In with Appleをとりあえず使ってみることをお勧めします。
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