Unityの独学で役に立つ、無料の参考サイト一覧
ユニティ・テクノロジーズが開発したゲームアプリを開発するソフトウェア「Unity」は、世界で最も利用されるゲームエンジンソフトです。直感的でわかりやすい操作と日本語解説の豊富さ、そして非商業目的であれば無料で利用できるという学習ハードルの低さから、プロアマ問わず国内でも高い人気を誇っています。いまや、ゲーム作成やVR開発に興味を持ったなら「まずUnityを学ぶ」のが、王道の学習ルートになっているといっても過言ではないでしょう。
しかしその人気ゆえに、巷には解説ブログや解説動画、HOWTO書籍にオンラインスクールなど、実に様々なUnityの学習支援教材が溢れています。Unityはちょっとしたスマホゲーム作成から世界的なゲームメーカーによる開発にまで、幅広く対応できる多機能なソフトです。それゆえ初心者にとっては、どれから学び始めれば何ができるようになるのかわからず、学習が非効率になってしまいがちです。
そこでこの記事ではUnityのことをまったく知らない人が、書籍や高額のオンラインスクールに頼ることなくUnityの基礎知識を身につけられる、初心者向けの学習サイトを紹介したいと思います。
お手本を真似て学べる、チュートリアルサイト
最初に紹介するのは、step-by-stepでUnityの使い方を一つずつ学べる「チュートリアル系」のサイトの紹介です。お手本となる簡単なゲームの作り方を真似しながら学習するタイプのサイトは、学習の目標・目的が明快な上、とりあえずゲームらしきものを作れるようになるので達成感があります。
そのため、
「Unityもプログラミングもまったくの初心者」
「まずUnityのダウンロードの方法すらよくわからない」
「作りたいゲームの漠然としたイメージはあるけど、何から学べばいいかもわからない」
という人にオススメのサイトと言えるでしょう。
またVR開発など非ゲーム開発を目的とする方も、まずはUnityというソフトの操作を学ぶ意味で、簡単なゲーム開発から始めることを強くおすすめします。
ここではチュートリアルサイトとして、
・Unity Learn(公式)
・ドットインストール
・おもちゃラボ
・paiza
の4つを取り上げます
Unity Learn(公式)
参考サイト:https://learn.unity.com/courses
Unityが公式に発表しているチュートリアルサイトです。
学習コースは、
・ダウンロードから学べる「Getting Started with Unity」
・C#でUnityを動かす方法を学ぶ「Create with Code」
・VR開発の基礎を学べる「Design, Develop, and Deploy for VR」
・本格的にC#を学べる「Beginner Scripting」
・2Dスクロールのアクションを作れる「Beginning 2D Game Development」
・3Dのアクションゲームを作れる「Beginning 3D Game Development」
の6つがあるなど質量ともに充実しており、正直に言えばこのサイトさえ見ていれば他のサイトなど見なくても十分Unityでゲームを個人制作できるレベルに達すると思います。
ただし初心者が初めて学ぶという点でみれば、いくつかの点でデメリットもあります。
第一に解説がすべて英語である点です。無論、Googleなどの翻訳機能を使えば簡単に理解できる程度の英語では在るのですが、初めて学ぶソフトを非母国語で学ぶことに心理的抵抗の大きいという人は少なくないでしょう。
また英語であるがゆえの障害として、「解説が多すぎてどれから始めればいいかわからない」という点が、直感的にわかりにくいというのも、地味に学習の妨げになりえます。
しかし最大の欠点は、「量が多すぎて学習意欲が削がれる」という点にあります。例えば一番初心者向きである「Getting Started with Unity」の学習目安時間は14時間半な上、6つのコースの学習予定時間は合計で111時間を超える計算です。これは後述のチュートリアルサイトに比べて非常に骨太な教材と言えるでしょう。学び始めは簡単な作品を短期間で複数作成して達成感を味わうことも重要なことを考えれば、少し初心者には荷が重すぎるかもしれません。
というわけで以下、もう少し肩の力を抜いて試せるお手軽な解説サイトを紹介します。
ドットインストール 「Unity入門」
参考サイト:https://dotinstall.com/lessons/basic_unity_v2
「ドットインストール」は、Unityを含む様々なプログラミング・ソフトウェアの解説動画を公開している、オンライン学習サービスです。
有料のもの含め多数の学習コースがあるドットインストールですが、「Unity入門」コースは一回3分程度の動画が全26回あり、その全てを無料で見ることができます。
ドットインストールのいいところとして、まず動画での解説なので分かりやすい点が挙げられます。テキストの解説の場合、操作の解説が省略された部分で学習が手詰まりになる事も多いです。そのため、見たままの操作を真似ればいい動画は、学習が途中で停滞しにくくなります。
また、製作が個人のブログではなくきちんとしたサービスであることから、Unityのバージョンアップにもきっちり対応してくれる点が挙げられます。よくソフトの使い方を解説したブログを見ていると、記事の情報が古すぎて操作がわからないという場面に出会うことがありますが、ドットインストールは定期的に内容を更新しており、情報が古くて学習が止まる危険性が小さいと言えます。
以上の点から、挫折の危険性なくUnityの操作を学ぶという意味では、非常に適した学習サイトと言えると思います。
ただし「いまなにを目的にどんな操作をしているのか」などへの解説が最小限な点には注意が必要です。操作の解説は丁寧なので挫折こそしにくいものの、全体的にその操作の意味や目的の解説は省かれがちで、納得感の小さい学習となりがちです。仮に最後までLessonを見終えても「結局あの操作はどういう意味だったんだろう?」という疑問は残るでしょう。
また、完成するゲームが非常に地味なのも、モチベーションの観点で言えば欠点と言えるかもしれません。
以上の欠点を補うために、全レッスン終了後、他のチュートリアルサイトと併用して学習するのがおすすめと言えるでしょう。
おもちゃラボ 「60分で作るシューティングゲーム」
参考サイト:http://nn-hokuson.hatenablog.com/entry/2016/07/04/213231
Unity学習における人気の指南書である「Unityの教科書」の作者によるブログ、「おもちゃラボ」です。前項のドットインストールのレクチャーだけでは物足りない人、動画ではなくテキストで学習したい人におすすめのサイトです。
内容としては、全6回の講座で2Dのシューティングゲームを作る手順を学ぶことができます。このチュートリアルのいいところは、まず用意されている画像の品質がよく、完成品のデザインがプロっぽいところです。ゲームの機能としては前述のドットインストールの3Dゲームとほとんど変わらないはずなのですが、シンプルなゲームでも使っている画像素材や演出が良ければ、印象がまったく変わることがよくわかります。
一方で操作の解説は一部簡素な上、個人ブログ故にUnityのバージョンの違いにも対応できていない点も多く、学習に詰まったときに自分で調べる力が必要な点です。
そのほか、シューティングゲームのチュートリアル講座以外にもUnityに関する様々なコラムがあり、より発展的なゲーム制作への取っ掛かりとなるサイトです。マリオのジャンプの挙動を目コピする記事(リンク)など、普段ゲーム制作者がどのような目線で既存のゲームを観察しているかが垣間見える良サイトだと思います。
OpenBook(Unity入門)
参考サイト:https://openbook4.me/projects/161
Unityを独学するに際し、よく学習サイトとして名前が上がる評判のサイトです。
ただスクリプトの言語としてJavaScriptを採用しており、その点には注意が必要でしょう。これまで紹介してきたように、Unityのスクリプトには基本C#がよく用いられているため、それ以外の言語で学習をすすめるのは初心者にとって大きな負担となります。
ただし教材内容に関しては評価も高く、すでにJavascriptを学んだことがある人、何らかの理由でJavaScriptでUnityを動かす方法を学びたい人は、こちらのサイトも利用してみましょう。
より深くUnityを学べる参考サイト
さて、これまでご紹介してきたチュートリアルサイトを繰り返せば、次第にUnityへの理解が深まり、オリジナルのゲーム制作に必要な基礎が出来上がることでしょう。しかし今度は、「お手本アプリのちょっとしたアレンジはできるけど、一からアイデアをゲーム化する力がつかない」という課題が見えてきます。操作や基礎知識を学んだ初心者がブレークスルーするためには、どのようなことを学べばいいのでしょうか?
そこでこの記事ではさらに、Unity初心者を脱し自分でイメージした機能を実現するのに参考となるサイトを紹介したいと思います。
Unity ユーザーマニュアル (公式)
参考サイト:https://docs.unity3d.com/ja/current/Manual/UnityManual.html
先ず覚えておきたいのは、Unity公式のマニュアルサイトです。
こちらもUnityの公式が公開しているサイトですが、前述のチュートリアルと異なり、こちらのサイトでは個別のテクニックや知識が体系的にまとめられています。そのため、チュートリアルサイトでなんとなく学んできた知識を結びつけ、深く理解する際に非常に有用なサイトとなります。
全ページを無理に読破する必要はありません。Unityの学習中、わからないことが出てきたり、これまで学んできた知識や技術を整理したいという状況になったら、まず思い出したいサイトの一つと言えるでしょう。
paiza C#入門編
参考サイト:https://paiza.jp/works/cs/primer
ある程度Unityでお手本となるゲームを模写し続けていると、今度は「スクリプト」の壁にぶち当たります。いくらUnityの操作が直感的かつアセットに素材が充実しているとはいえ、コードが書けなければ意図した機能を満足に実装することも叶いません。そこで次は、Unityでよく利用される言語であるC#を学ぶ必要がでてきます。
オンライン学習サービスのpaizaには、全9Lesson79回のC#に関する解説動画が無料で公開されています。ここで一通りC#を学べば、これまでに取り組んできたチュートリアルサイト中のスクリプトの意味がかなり理解できるようになります。スクリプトへの理解が進めば、チュートリアルアプリをアレンジすることで自分なりのゲームを作ったり、実装したい機能を自力で組み込める段階に突入します。
個人ブログの学習体験記
参考サイト
「【Unity】本物の素人が独学で2ヶ月かけてクソゲーを作ってみた結果」
「【Unity】素人が7日間クソゲーを作り続けてわかったこと」
「Unityを始めて一年経ったので、勉強内容をまとめてみた」
意外に重要となるのが、Unityを学びはじめた人による学習ログサイトです。ネット上には様々なクリエイターの方が執筆した、「Unityを初めて触ってからどのようなことを学び、どのような成果を出したのか?」という記録や備忘録がたくさんあります。こうした試行錯誤の過程を追体験することは、作りたいゲームのアイデアが湧いてきたり、次に学ぶべきスキルの方針が見えやすくなったりと、非常に学習にいい影響をあたえます。
また、余力のある人はこうしたブログを参考に、自分の学習記録も付けてみましょう。何を学び、何がわからないのかということを日々レコーディングすることで、自分の学習の問題点が浮き彫りになったり、読者からのコメントで課題が解決したりと、学習の励みになるからです。
以上、Unityのことを全く知らない人でも独学で基礎を学べる、おすすめサイトを紹介しました。しかし、ソフトが使えてコードが書けることは、あくまでゲーム開発のスタート地点に立ったに過ぎません。
学んだことを活かし、研鑽を積みながら、オリジナルのゲーム開発をめざして頑張りましょう。
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