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MESHとは?大人も子どもも虜にするこれからの「ものつくり」

MESHはSONYのスタートアッププロジェクトの中で開発された、IoT体験ができる電子DIYプラットフォームです。クラウドファンディングで予定を上回る資金調達に成功して2015年末から一般商品化、市販されています。

■MESHとは?
MESHは、「タグ」と呼ばれる消しゴム大の単機能ブロックを、iOSアプリ「Canvas」でワイヤレスに連携し、さまざまな動きを制御するシステムです。
タグは全部で7種類です。(MESH公式WEBサイト

・人感センサ…人や生き物の接近・移動を検知する
・動き(加速度)センサ…タグ自身の動き・向きを検知する
・温度湿度センサ…周囲の温度、湿度を検知する
・明るさセンサ…明るさを検知する
・ボタン…設定に合わせた「スイッチ」になる
・LED…設定に合わせて光る
・GPIO…入出力・電源供給ポートを持つタグ

これらタグどうし、あるいは対応する外部機器がアプリを通して連携し、ユーザーの「これができたらいいのに」を実現します。
シンプルでスマートなプロダクトデザインが高く評価され、2016年には国際的なデザイン賞「iFデザインアワード」の最優秀賞、「iFゴールドアワード」を受賞しました。

■MESHの使い方
ノンプログラミングで視覚的にIoTを体験できるのが、MESH最大の特徴です。
まず、アプリ「Canvas」をインストールした端末に、タグをペアリングします。ペアリングされたタグはアプリ内でアイコン表示されます。
次に、他のタグや外部機器、あるいは動作条件を設定するアイコンどうしをアプリ内で「配線接続」します。画面上で「配線」された設定が、そのままタグに連携されます。
この設定は「レシピ」と呼ばれ、デジタル機器を動かす仕組みを決める「プログラム」にあたります。レシピによって

・玄関ドアを開けた瞬間に【明るさセンサタグ】が反応し、連携したカメラが写真を撮る
・【温度・湿度センサタグ】で室内環境を監視し、熱中症の危険を検知してスマホに通知する
・オフィスの椅子から立ち上がると【動きタグ】が振動を検知、外の気象情報をネット経由で取得し、雨であれば【LEDタグ】が青く光って知らせてくれる

など、様々な制御が可能になります。活用方法はアイディア次第です。

■MESHの注意点
以上のように、無限の可能性を秘めたデバイスとしての魅力にあふれたMESHですが、実際に購入・活用したい場合、いくつかの注意点があります。

-動作条件に注意
MESHは個々のデバイスをアプリで連携させて動かす仕組みです。全てのデバイスは、アプリ「Canvas」を通して繋がっています。
つまり、動作を実現するためには、アプリが実行状態である必要があります。端末が電池切れなどで電源オフになっている時は利用不可です。
アプリ自身はバックグラウンド実行に対応しているため、スリープモード中の実行は可能です。ただし公式サイトによれば、いくつかの不具合が確認されています。

-対応アプリはiOSのみ
レシピアプリ「Canvas」に対応する端末は、現時点でiOS8.0以降がインストールされた「iPad(第3世代以降)、iPad mini、iPhone(4S以降)、iPod touch(第5世代以降)」です。
Android OS用アプリはリリースされていません。

-本体や連携機器の価格
タグの本体価格は実売で、1つあたり6,000円~7,000円程度です。タグ1つからでも楽しめますが、より拡張性を求めて7種類のタグを揃えようとすると、4万円を超えます。
また、連携する対応外部機器も、

・Philips hue(IoT照明)…スターターキット26,000円
・Olympus Air(オープンプラットフォームカメラ)…36,000円

など、比較的高価なIoTデバイスが中心になります。

-電池持ち
搭載されたリチウムイオンバッテリの持ち時間は、公式サイトによればフル充電から「1ヶ月間」です。
しかしその条件は、「温度湿度センサの動作が1日5分の場合」など、かなり限定的です。タイマー設定や使用頻度・使用環境によりますが、日常で実用的に活用しようとする場合は、もっと短期間でのリチャージが必要になるでしょう。

■こんな人におすすめ
以上から、MESHは現時点で「IoTやロボティクスを身近に楽しみたい人」「MESHで色々作ってみたい人」「Raspberry PiやScratchと連携させて拡張性を楽しみたい人」にとって、最適なデバイスと言えるでしょう。
ただ、前述したように、複数のタグと関連商品をあわせて購入すると、数万円単位での出費になります。価格を補って余りある魅力を持つプロダクトではあるものの、オモチャとしては高価な部類に入るでしょう。
気になるけれど高い…と躊躇ってしまうようであれば、ソニービルやものづくりカフェなどで開催されるイベントや体験会に参加してみることをおすすめします。大人も子どももグッとくる、これからの「ものつくり」体験ができるでしょう。

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