iOS?Android?最初に開発するのはどっち?
スマートフォンOSのツートップといえば、iPhoneを始めとするApple社製の端末に搭載されている「iOS」と、その他メーカーの端末に搭載されている、Google開発の「Android OS」です。日本においてそのシェアは拮抗しています。
スマホアプリ開発をする場合、iOSとAndroidのどちらを優先させるべきでしょうか?
■OSシェアは?
世界各国のモバイルOS販売シェアを比較できるKantar Worldpanel ComTech の情報が、2016年3月に更新されました。
2016年1月時点での最新データによれば、日本におけるモバイルOSシェアは
・iOS…50.3%
・Android OS…48.7%
です。
過半数がiOSですが、2012年時点でのiOSシェア(73.9%)と比較すると、Android OSの追い上げが目立ちます。
それでも日本のiOSシェアは、世界で第一位です。アメリカでは39.1%、中国では25.0%、ブラジルでは3.3%とiOSのほうが少数派です。
Net Applicationsの調査によれば、世界のAndroid OSシェアは2016年6月時点で65.58%、iOSシェアは27.24%です。
世界的には、Android OSユーザが多数派であることがわかります。
■AndroidはOSバージョンに注意
OSシェアの観点からは、海外需要を意識したスマホアプリを開発する際にはAndroid端末向けを優先させたほうがいいかもしれません。
しかし、Android端末はスペックや価格にばらつきが大きく、OSバージョンもまちまちです。
たとえば、Googleの支払い管理機能「Android Pay」はハードウェア対応が必須ですが、廉価端末にはチップが搭載されていない場合や、古いバージョンのOSには未対応である場合があります。Android Payに限らず、最新機能を使用するアプリを開発したい場合、OSバージョンのシェアにも注意する必要があります。
■ターゲットユーザの消費意欲は?
Android OSとiOSユーザの違いは、「懐事情」にあります。
象徴的なのは、Android端末とiOS端末の平均価格です。2016年第一四半期時点で、各端末の平均販売価格は
・iOS端末…691USD(およそ73,000円)
・Android端末…215USD(およそ23,000円)
でした。(iPhone Mediaより引用)
Apple端末は過去5年間にわたって価格の低下が見られないのに対し、Android端末は2010年の平均価格(441USD)から半減しています。これは、HuaweiやHTCなどからリリースされる格安端末が普及し、Android端末全体の平均販売価格を押し下げたことが影響しています。
Android OSの格安端末は、低所得者層や若年層を中心にシェアを広げていると考えられます。日本においても、「スマホデビュー用の格安端末」や「子供向けスマホ」はほぼすべてAndroid端末です。
そのような中で、あえて高額なiOS端末を選ぶユーザは、可処分所得が豊かで、新しいモノに敏感、価格よりも所有することによる価値や体験を重視する傾向があると言えます。
以上から、消費意欲はiOSユーザのほうが高いと判断できるでしょう。
■依頼先のリソース確認を
以上から、iOS、Androidユーザにはそれぞれ特徴があり、アプリ使用者が「どの層」にあたるのかを見極める必要があります。
特に、アプリ開発を依頼する際には、市場ニーズ、ターゲット層などを的確に分析できる依頼先を選びましょう。開発の前例を豊富に持ち、業界経験に基づいたアドバイスができる開発元がおすすめです。
アプリはリリース後にも運用・管理・保守などの継続的な手入れが必要になります。グロースハック(ユーザの声をフィードバックさせて行う、アプリの成長)を叶えるためには、「作って納品して終わり」にならない関係を築く必要があります。
全体的な開発リソースはもちろん、ネイティブ系・ハイブリッド系開発のどちらが得意であるか、リリース後の保守にどの程度関われるかも、吟味するうえで重要になります。
■ハイブリッド開発がおすすめ
もし、厳密なターゲッティングが難しい場合やターゲットを限定したくない場合、おすすめしたいのがHTML5などのWEB系言語を使ったハイブリッド開発です。
WEB系開発言語であれば、「Android用開発」と「iOS用開発」を区別せず、ワンソースでAndroid OSとiOSのアプリ開発を並行して行い、同時にリリース・運用管理を行うことができます。
業務系アプリにおいても、「現在は従業員が使い慣れているiPadで使用して、いずれは安いAndroid端末でも使えるようにしたい」など、先々のことを考えた場合、「どちらか」に限定するよりも、最初から両対応にしてしまったほうが良いでしょう。
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