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VR市場は2021年には23兆円!?加速するVR市場の今

市場調査会社のIDCジャパンによると、VR市場関連の世界市場規模は2021年には2150億ドル(約23兆6500億円)に達します。ちなみにVRやARが使われるゲーム業界の市場規模は全世界で現在約7兆8千億円程です。巨大なゲーム業界ですが、その全体の3倍以上にも発展するという予想になります。
この数字だけ見ると「VRやARが注目されているのは分かるけど、そこまで発展するかな?」という実感を持つ方が多いのではないでしょうか。

その理由は、日本ではまだVR技術が新しいゲームの表現方法の一つ、というイメージで捉えられているからなのです。

 

 

世界と日本で大きく異なるVR市場

 

VR先進国のアメリカでは、ハリウッドが映画製作の技術としてVRに積極的に投資を行っています。あのルーカスフィルムはおなじみのスターウォーズをベースとした「トライアルズ・オン・タトゥイーン」や「ダース・ベイダー VR エクスペリエンス」をリリースしています。日本でも実際にVRシステムの「HTC Vive」 を使って楽しむことができます。

またVRを体験するためにはハードウェアが必要となりますが、この分野において世界で先行しているのは中国です。中国では2017年現在すでにVRハードウェアメーカーが数百社以上も存在しています。中国と言うと一昔前は先進国に安い値段で部品を供給する役割というイメージがありましたが、現在ではそんなことはありません。実際に中国深センの華僑北路(日本の秋葉原にあたります)では、VR製品の出荷量が毎月3000万台を超えています。

総人口が13億人を超える中国なので単純には比較できませんが、3000万というと日本の人口のおよそ1/4です。この人達が1台ずつVR機を持っているというのではなく、毎月3000万台売れているというのは、かなりすごいことですよね。

 

 

VR普及に向けた日本の課題

 

実際にVRメーカー国内の企業や団体に広い範囲でヒアリング調査をした「平成28年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(新たな社会ニーズを発掘するためのコンテンツ制作基盤・環境整備調査研究)」ではVR普及の課題として次のようなことが浮かび上がってきました。

■事業としてスケールしにくく、ビジネスモデルが定まらない
■参加企業の数が少ない
■コンテンツ制作のノウハウが確立されていない
■コンテンツ制作の人材が不足している。制作需要確保も見込めないため、継続的な雇用に踏み切れない。さらに人材が流動していない
■VR業界内のコミュニティが弱い

確かに、海外の状況と比較してみると日本のVR市場の盛り上がりはまだこれから、といった感じがします。しかし逆に言えば、これから爆発的に普及していることが確実視されているVR業界ですので、今日本が足踏みしているこのときこそ、VR市場参入の大チャンスともいえます。

ポケモンGOなどの丁寧なコンテンツ作りでは世界的に評価の高い日本ですので、いったん市場が立ち上がってくれば、存在感抜群のキラーソフトを提供するというポジションを築くこともできるでしょう。

また、産業用のCADなどにもVR技術は続々と応用されてきており、製造業や建設業の設計開発、工場の生産ライン構築などのいわゆる「モノづくり」に応用できます。現状では、やはりこのVR+CADという分野でも先行しているのはアメリカですが、モノづくりで世界をリードしてきた日本は、こうした分野で再び世界をリードすることも期待されています。

ちなみにUnityを使って、こうしたCADをVR化するツール「Unity CAD Importer」なども公開されています。

VR=ゲームという視点を一旦外して見てみると、ゲーム市場のおよそ3倍に膨れ上がると予想される「VR市場の今」がもっと見えてくるのではないでしょうか。

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