【2019年】ITトレンド予測5選
IT業界では日々、新技術のニュースが発表されています。変革のスピードが速く、流行する技術が常に変化しています。このような状況の中では、常に新しいトレンドにアンテナを張り、情報を得ていくことが大切です。
今回の記事では、書籍「ITナビゲーター2019年度版」をもとに、これからのIT業界のトレンドについて考えていきたいと思います。
この記事を読むと以下の3つのことがわかります。
①2019年のITトレンド予測
②業務自動化による働き方の変化
③これから求められるIT人材
それぞれの項目について詳しく解説します。
2019年のITトレンド予測
2019年のITトレンドにおいて、カギを握ることになると思われる5つの技術は次の通りです。
・RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)
・VR(バーチャル・リアリティ)
・AI(人工知能)
・シェアリングエコノミー
・QRコード決済
それぞれの技術について、概要と課題を解説します。
1.業務自動化を駆使した働き方改革
概要
2019年以降の働き方改革では、「業務自動化」が重要なキーワードとなります。大企業の8割は導入のトライアルを開始しているとされるRPAですが、これら業務の生産性や効率を向上させるための取り組みが注目されるでしょう。RPA以外にも、新卒採用の書類選考にAIを用いるなど、HR Tech(人事採用×IT技術)領域では自動化技術が重要なキーとなりそうです。
課題
RPAは単純な反復作業などを人間に代わり高速で、ミスなく、大量に行うことに向いているツールです。しかしその導入の目的が「残業時間の削減」に留まってしまうケースが多くみられるようです。まずは抜本的な不要業務の取捨選択を行うことではじめて業務自動化の恩恵を受けられることを念頭に置くとよいでしょう。
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2.VR市場の今後の発展を握るのは、Vtuber?
概要
VR元年と呼ばれた2016年から早3年。B2C向けVR機器の浸透はこれからという一方で、市場の出荷台数予測ではB2B向けVR機器が大きく成長しています。商用向けVRは当初さまざまな導入障壁から普及拡大が懸念されていましたが、建築業でのシミュレーションや教育シーンなどで多数の導入が進みました。また、2018年はVR業界において「Vtuber」が話題となりました。Vtuberは実写の人間よりも感情表現がわかりやすいアバターを用いることで、インターネット上でのコミュニケーションの表現力が高まるとされています。
そのためVR会議やテレワークへの展開も期待されるでしょう。
今後はVtuberの生み出すコンテンツがVR市場全体を牽引するかもしれません。
課題
VR機器であるヘッドマウントディスプレイの映像は、人間が認識する現実と比較すると格段に情報が足りません。例えば、解像度が人間の目より低いため、現実よりも荒い映像となります。また、視野角も狭く、見える範囲全ての映像を映し出せません。さらに、焦点の深度が固定されているため、目の焦点が合っていない部分のぼやけを表現できません。これらの問題解決に向けて、今後の技術向上が期待されます。
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3.ロボットの弱点をカバーする運用が鍵に
概要
ロボット市場は近年AIの発達により、その活用範囲が急速に拡大しています。これまでのロボットは工場などで利用される産業用ロボットに代表されるように、人と分離された状況で前もって決められた作業を正確に・高速に処理することが求められてきました。
しかし近年では、オフィスや空港、商業施設などでより人に近い高度な作業が求められてきています。ロボットを見かけるシーンの変化からも、ロボットにおけるAI活用が発達してきたことがうかがえます。
課題
ロボット市場の拡大に必要不可欠なAIの技術開発、発展に伴うAIに学習させるデータの収集が第一の課題となります。今後はAIのアルゴリズム自体はオープンソース化が進むことから、学習させるデータそのものが差別化の要因となっていくでしょう。
4.シェアリングエコノミー課題は「興味はあるけど使ったことない層」の取り込みか
概要
シェアリングエコノミーとは、インターネットを利用して使用されていない資源の活用をする技術を指します。具体的な例としては、カーシェアリング、Airbnb等の民泊、Uber等の配車アプリ等が挙げられます。シェアリングエコノミーを利用すると、仲介業者が減るため、消費者にとってモノやサービスを安く利用できるメリットがあります。
課題
シェアリングサービスでは、「利用経験がある消費者」が17.3%、「経験はないが利用意向のある消費者」が51.3%であり、特に家事代行や観光ガイドなど、ヒト(労働力)のシェアリングサービスへの関心が高くなっています。今後は、シェアリングエコノミーに関心を持った消費者が実際に利用に至る意思決定を行うまでの「経験の壁」を取り払う必要があるといえるでしょう。
5.QRコード決済への参入増加によって、キャッシュレス戦国時代へ突入
概要
QRコード決済とは、店舗が提示するQRコードを消費者がスマホで読み取り、料金の支払いを完了する技術を指します。同じキャッシュレス決済である、クレジットカードや電子マネーと比較して、店舗側の導入が簡単というメリットがあります。よって、キャッシュレス化が遅れていた小規模店舗への普及が期待されています。
課題
電子マネー、クレジットカード、QRコードによるキャッシュレス決済には多くの企業が参入しています。近年では特に、QRコード決済に参入する企業が激増しています。あまりにキャッシュレスの種類が多すぎて、消費者はどのサービスを選ぶべきか非常に迷う状況です。今後は、競争によるサービスの統一化が期待されます。
2020年以降も活躍できるエンジニアになるために
2019年のITトレンドについて予測してきましたが、2020年以降も続々と新しいITトレンドが登場するはずです。では、将来的にIT業界はどのように変化していくでしょうか。
将来のIT業界について3つの疑問を取り上げます。
・IT業界の景気はどうなる?
・業務自動化で働き方はどう変わる?
・これから求められるIT人材とは?
それぞれの疑問について詳しく解説します。
IT業界の景気はどうなる?
2020年以降、AI(人工知能)やロボットの進化が加速していくことは、ほぼ間違いないと思われます。そこで、活躍する職業がITエンジニアです。
AIやロボットが普及すれば、今度はそれらを作る仕事の需要が高まります。IT業界が活躍する場が増えるため、今後IT業界の景気は長期的に向上していくことが予想されます。
業務自動化で働き方はどう変わる?
IT技術の発展に伴い、現在の仕事の一部はAIやロボットによって代替され、業務の自動化が進むでしょう。とは言っても、人間の仕事がなくなるわけではありません。
過去の歴史においても、市場や産業が変化し多くの失業者が発生した時期は何度もありました。しかし、その度に新たな需要による仕事が生まれてきました。
将来的に需要が高まる仕事としては、IT技術を作るプログラミングや、ITに代替されにくいクリエイティブな作業、エンターテイメント業務などが考えられます。
業務の自動化によって、今後はやるべき事よりもやりたい事が重要視されていくはずです。単純な作業や定型化しやすい業務はAIに任せて、自身はより意欲的に取り組める仕事を追求していきましょう。
これから求められるIT人材とは?
IT業界において、これから需要が高まる職種は大きく2種類に分けられます。それは「ITを作る仕事」と「ITを使う仕事」です。
「ITを作る仕事」としては、機械学習エンジニアやデータサイエンティスト等の職種が挙げられます。現在、これらの職種はエンジニアの数が極端に少なく、需要に対して供給が足りていない状況です。今後も市場は拡大していくと予想されており、希少価値のある人材として高い報酬が期待できます。
また「ITを使う仕事」としては、ITコンサルタントやSalesforceエンジニア等の職種が挙げられます。新しい技術が生まれると、それらの導入を支援する人の需要も高まります。
さらに広い意味では、ユーチューバーやインフルエンサーなども「ITを使う仕事」に当てはまるかもしれません。新たな技術を使いこなし、上手く利用できる人も活躍しています。
どのIT業務においても、新たなトレンドにアンテナを張ることが大切となります。需要が高まるであろうスキルについて勉強し、習得する努力を怠らないようにしましょう。
まとめ
簡単にですが、2019年以降のトレンドに関する予測をまとめてきました。今回ご紹介した5つも、特別新しく登場したキーワードというわけではありませんが、いずれもこうしたホットワードが「普及」へ向かうフェーズへ突入しています。RPAやロボットなど、2019年も「業務効率化」や「生産性向上」を軸としたサービスが人気となりそうな予感です。
※本記事は「ITナビゲーター2019年度版」より内容を引用しています。
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