Storyboadなど3本の実験的アプリをGoogleがローンチ
2017年12月にgoogleはStoryboad,Selfissimo!,Scrubbiesという3つの新たな画像・動画アプリをResearch at Googleからローンチしました。今回はこの3つのアプリの概要とその背景についてまとめてご紹介します。
Research at Googleとは
Research at GoogleはGoogleが実験的なアプリを開発、リリースするプロジェクトです。
プロジェクトのページには「私たちは、非常に挑戦的な課題に対してコンピューターサイエンスとその周辺技術を使って取り組んでいる」との宣言がなされています。Googleの持つさまざまな最新技術を使い、新しいアプリに応用したものをリリースし、そのフィードバックをユーザーから得るという目的のプロジェクトです。
Motion Stills 先行する画像アプリ
Googleからは2017年6月に今回の3つのアプリに先行し、Motion Stillsというアプリがローンチされています。iPhone6/6plusから実装されたApple Live Photoに対応したアプリです。iPhoneでカメラアプリを起動して撮影する際にApple Live Photoを選択すると、撮影の前後1.5秒を動画として記録するという機能ですが、対応したアプリがあまりなかったため、うまい活用方法がこれまでありませんでした。
Motion Stillsはこうして撮影された3秒間の動画をアニメーションGIFやmov形式の動画に出力することができる機能と、ダイレクトにメッセージアプリなどを利用して共有する機能を持っています。また、いくつかのApple Live Photoで撮影された画像をつなぎ1本の動画として出力することも可能です。アプリ上でGoogleのスタビライゼーション技術による手ぶれ補正を行い、つなぎ目も自然な動画が作成できるとされています。
Storyboad 動画から1枚の漫画風の画像を作成
Google Research Blogによると、今回リリースされた3つのアプリはGoogleの持つ、オブジェクト認識技術、人のセグメンテーション技術、スタイリングアルゴリズム、効果的な画像のエンコーディング及びデコーディング技術を背景に開発されたとのことです。こうした最新技術を利用した単機能でシンプルな使いやすい特徴のあるアプリが今回リリースされたものです。
StoryboadはAndroid5.0以上で動作するアプリです。端末上にある動画を読み込むとその中からいくつかの画像を抽出、自動でコマ割りをした1ページの漫画風に編集し画像に変換してくれるアプリです。画像は6種類の効果的なエフェクト(白黒や絵画風のカラーなど)に変換され、レイアウトも数種類のパターンから自動で選択されます。画面を下方向にスワイプすると選択される画像・効果・レイアウトが変化し、気に入った画像が得られるまで何度でもトライすることが可能です。ただし、マニュアルで編集することはできません。
実際に試して見ると、長い動画だと選択される場面がうまく自分の意図するものにならないことも多いため、少し短めの動画の方が良いようですね。
Selfissimo! ポーズを決めると自動で撮影
Selfissimo!はiOSとAndroidの両方のデバイスで動作します。アプリを起動してカメラをセッティングし、レンズに向かってポーズをとると自動でシャッターを切るという機能があります。撮影対象の動きを観察し、ポーズを決めて静止した瞬間を判断し記録するというもので、出力される画像はモノクロになります。いくつかのポーズを連続して記録することができます。アプリの説明には”Capture your best self”(一番いい自撮りが得られます)とあるように、一枚ずつ撮影してはいちいち確認して、という手間が不要になります。
Scrubbies 動画をDJのように編集
Scrubbiesは3つの中でもユニークなアプリです。動画をアプリ上に読み込んで編集するのですが、再生しながら画面上を1本指で左右方向にスワイプすると動画もそれにしたがってリアルタイムで巻き戻し・早送りされます。まるでDJがスクラッチするような感覚で動きを制御できる機能です。二本指で同じように操作するとそのまま保存されます。スワイプの動きに合わせて再生スピードもコントロールできるので、強調したいシーンを繰り返し再生したい時など面白い効果をつけて編集することが可能です。現在のところ、iOSでのみ動作します。
まとめ
Research at Googleからローンチされたこれらのユニークなモバイル端末向けの画像・動画関連アプリは、Googleの最先端技術を背景としています。単機能のシンプルなアプリですが、ユーザーの意見を反映し、将来的に新たな製品へ応用することを目的としています。現在はサービスを停止しましたが一時期流行ったvineや、最近10代を中心として広がっているTik Tok、Mix Channelなどのように短時間のムービーや、SNSに投稿するためのスタイリッシュな画像を一般のユーザーが気軽に作成する場面は増加しています。こういったニーズに対応するGoogleの取り組みの一つとして今回ローンチされた3つのアプリは注目されます。
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