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DAZNで観たい2020オリンピック、そしてOTTのゆくえ

2020オリンピック・パラリンピック※の開催が1年後になりました。このビッグイベントのためにチケットの予約購入に情熱を注いでいる人も多いのではないでしょうか。とはいえ抽選の競争率は高く、ここ数年の傾向から開催時期の7月下旬から9月初旬は厳しい猛暑と残暑になりそうです。国内はもちろん海外からどっと観客が押し寄せて、東京では交通の混雑が予想されます。

そこで手軽に競技を観戦したいのであれば、注目したいサービスがあります。DAZN(ダゾーン)です。

スポーツファン、特にサッカーファンなら、DAZNの名前はご存知かもしれません。世界規模で展開しているスポーツ専門の動画配信サービスです。JリーグはJ1~J3まで試合を観戦でき、テレビでは放映されない海外の試合も視聴できます。

日本では2016年の8月23日からサービスを開始しました。NTTドコモのキャリア決済が可能ですが、2019年2月に行われた会見で他のキャリア決済にも対応していくことが報じられました。

この記事を読むと、次の3つのことが分かります。
①DAZNはどのようなサービスか
②DAZNによる2020オリンピック・パラリンピックの楽しみ方
③DAZNに代表されるインターネット動画配信(OTT)とテレビの今後のゆくえ

※2020オリンピック・パラリンピックの正式名称と開催期間は以下の公式サイトで確認できます。記事内では「2020オリンピック・パラリンピック」としました。

参考:東京2020公式サイト
https://tokyo2020.org/jp/games/plan/

DAZNって何

DAZNは、イギリスに本社を置くダゾーン・グループが展開しているスポーツ専門の動画配信サービスです。2016年にサービスがリリースされ、その後、1年間で会員数が100万人を超える急成長を遂げました。

ダゾーン・グループの歴史を遡ると、創立は2007年にISP(Internet Service Provider)とスポーツ専門のモバイルソリューションを展開するPremium TV、スポーツ業界でデジタル関連の権利を扱っていたインフォーム・グループの合併で誕生。2011年以降、「Goal.com」「RunningBall」「Opta Sports」「Sporting News」といったメディアや企業を次々に買収し、パフォーム・グループに成長しました。

2019年4月にパフォーム・グループはダゾーン・グループにブランド名称を変更。「DAZN+(ダゾーンプラス)」という広告プラットフォームも展開しています。

DAZNの提供するサービスと価格

DAZNの公式サイトは以下になります。
https://watch.dazn.com/ja-JP/sports-B/

展開しているサービスのメリットは以下の通りです。

・スポーツに特化した130以上のコンテンツ、年間10,000試合以上の動画を用意。
・サブスクリプション(月額)で見放題。
・ドコモユーザーの決済に対応。
・1か月(ドコモユーザーの場合は初回31日間)無料。
・中継はもちろん見逃し配信もあり。

DAZNはTV、PC、スマートフォンのほかPlayStation 4などのゲーム機にも対応。あらゆるプラットフォームのデバイスで観賞できます。

利用できる環境、価格、支払い方法の概略を以下に整理しました。

推奨環境 OS Windows8.1、Windows10、MacOSX以上

iOS は10.0以上、Androidは4.4以上

ブラウザ Google Chrome、Safari、Firefox、Internet Explorer、Microsoft Edgeの最新バージョン
デバイス 上記OS搭載のデバイス(Androidで一部視聴できないデバイスあり)のほか、スマートテレビ(SONY、Panasonic、TOSHIBA、LGなど)、ゲーム機(PlayStation 4、PlayStation 4 Pro、Xbox One)、Amazon Fire TVなど
通信環境 2.0Mbps(標準画質)、3.5Mbps(HD画質)、6.0Mbps(HD画質と高フレームレート)、8.0Mbps(最高品質)
備考 詳細は以下をご確認ください。

https://my.dazn.com/help/about-recommended-devices-jp

価格 一般 月額1,890円(税込)
ドコモユーザー ・DAZN for docomo:月額980円

・dTVとのセット:月額1,280円

備考 詳細は以下をご確認ください。

https://watch.dazn.com/ja-JP/sports-B/

支払い方法 DAZN関連 ・DAZNプリペイドカード

・DAZNチケット

・DAZN年間視聴パス(明治安田生命Jリーグ)

その他 ・アプリ内課金(Apple、Amazon、Google Play Store)

・PayPal

備考 詳細は以下をご確認ください。

https://my.dazn.com/help/payment-options-general-jp

登録時に必要なものは、最低限メールアドレスとクレジットカードです。最大6デバイス、同時に2デバイスまで視聴できるので、家族は自宅のテレビで、帰宅中の自分はモバイル端末で2020オリンピック・パラリンピックを観戦というスタイルを実現します。無料期間終了後には、いつでも退会可能です。

DAZNの中継を店舗でファンと楽しむ

通勤や通学の途中でモバイル端末によって、2020オリンピック・パラリンピックの動画をDAZNで楽しむほか「仲間とお店で楽しむ」と盛り上がるかもしれません。

DAZNは2019年6月15日、株式会社エードットとの共同企画として、東京の渋谷にDAZNでスポーツ観戦をしながらビールやコーヒー、フードを楽しめる、コミュニケーションスペース「ダゾーン サークル(DAZN CIRCLE)」を開業しました。

所在地:東京都渋谷区松濤1-5−3 オクシブビル1階
営業時間:9:00〜23:00(ラストオーダー 22:30)
定休日:不定休
公式サイト:https://watch.dazn.com/ja-JP/dazncircle/

いわゆるライブビューイングとして、仲間と観戦する体験もよいものです。

DAZNで注目が高まるOTTとは何か

ところで、DAZNのような動画配信サービスはOTT(Over The Top)と呼ばれています。OTTはISPや通信業者のサービス領域を越えて(ゆえに「Over The Top」と呼ばれます)動画や音声による大量のデータを提供します。

Amazon、Netflix、Hulu、Apple TVを挙げると分かりやすいのではないでしょうか。YouTube もOTTですが、CGM(Consumer Generated Media:ユーザーが創造するメディア)が中心です。LINEやSkypeのようにメッセンジャーや無料通話のサービスを提供するサービスもOTTになります。動画で簡単にコミュニケーションができるようになったSNSで、TwitterやFacebookもOTTに分類されることがあります。

アプリの開発にあたって、2020オリンピック・パラリンピックをきっかけにOTTについて理解を深めておくとよいでしょう。

2020オリンピック・パラリンピックを視野に入れてOTTを解説します。

OTTをめぐる現状

OTTが登場した背景には、次の3つがあります。

1)高速なネットワークインフラの普及
2)PCやモバイル端末など情報家電の進化
3)ライフスタイルが変化してストリーミング中心に

最初の2つは「リッチメディアを高速処理できる環境が整った」ということです。

ネットワークインフラでは、2020オリンピック・パラリンピックの開催時期にあわせて「5G(第5世代移動通信システム)」が計画されています。5Gは2019年4月にアメリカと韓国、続いて5月にはイギリスとオーストラリアで商用サービスが始まりました。日本では2019年9月から実証実験がスタートし、2020オリンピックに向けて商用化されます。

モバイル端末自体はデュアルコア(CPUのコア数2)からクアッドコア(CPUのコア数4)、Google Pixel 3aやXperia 1 SO-03Lのようなオクタコア(CPUのコア数8)を搭載したスマートフォンに人気が集まっています。今後は各メーカーから5G対応モデルが発売される予定です。

3つめのライフスタイルに関しては、昭和はビデオテープ、平成はハードディスクレコーダーが主体で、テレビ番組は「録画」して観る時代でした。しかし、録画して観る場合、放映時間やハードウェアと記録媒体の容量がユーザーを束縛します。うっかり録画の予約設定を忘れたり、記録媒体の空き容量がなかったり、悔しい思いをすることがありました。

令和の時代の主流は、ストリーミングで動画を観るライフスタイルです。マルチデバイスで時間の制限を受けずに、観たい場所で観たい時間に、インターネットを介して動画をストリーミングで視聴するライフスタイルが定着しつつあります。

一方、テレビで観る映像は、より美しく鮮明な画質が追求されるようになりました。2020オリンピック・パラリンピックでは、8Kによる放送も予定されています。

OTTとテレビのこれから

地上波の民放テレビ局にとってOTTは手強い存在です。というのは、CMによる広告収益がメインのビジネスモデルであること、時間帯やテレビの設置場所などの制限があるからです。しかし、番組をアーカイブしてコンテンツ化し、ブラウザや専用アプリで観賞できる取り組みがテレビ局各社で活性化しています。

2019年8月現在、2020オリンピック・パラリンピックの放映時間は公開されていませんが、各局のOTO化が進めば、リアルタイムで観ることができなかった競技をあとで観ることが可能になります。チケットが手に入って観戦できた人も、DAZNやテレビ局のアーカイブで、名場面を再度じっくり観賞できるようになるでしょう。

まとめ

世界中の注目を集める2020オリンピック・パラリンピックを1年後にひかえて、会場の整備や猛暑対策など準備が行われています。

東京で開催されるオリンピックは、1964年(昭和39年)以来になります。技術の進歩やDAZNなどOTOのサービスによって「歴史的瞬間を見逃すこと」はなくなりそうですが、私たちが準備しなければならないのは、世界中の観戦者を受け入れる「こころの準備」かもしれません。

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