forgeに必要な開発環境とは何か?特徴も含めてご紹介
世界的にも有名な設計ツール開発企業のAutodesk社では、web上で3DCADの設計やウェブサービスの開発をまとめて操作できる「forge」を提供しています。
たとえばCADソフトウェアをインストールしていない端末でも、CADデータを閲覧できるのが大きな特徴です。しかし、従来のソフトウェアとは異なる導入・利用手順ということもあり、企業によっては開発環境の整備で課題が生じていることでしょう。
ここではforgeの導入手順をはじめ、開発環境について分かりやすくご紹介していきます。また、forgeの概要と従来のソフトウェアとの違いについてもおさらいします。
この記事を読むと以下の3つのことがわかります
① forgeと従来のCADソフトやサービスとの違い
② forgeの開発環境
③ forgeの利用手順や注意点
forge と従来のソフトとの違いから開発環境を理解
まずは開発環境の前にforgeの概要と、従来のソフトウェアとの違いを振り返ります。
forge はCADデータをwebブラウザ上で閲覧可能
forgeの機能の1つは、従来のCADソフトウェアと異なり、webブラウザ上でCADデータの閲覧や各パーツのチェックやテストなどを行うことができる点です。
これまでの製品設計は、CADソフトウェア1つでは完成させることは難しく、様々な関連ソフトウェアを利用して、少しずつデザインや設計図を作り上げていました。更に、従来の方法ではファイルやデータに互換性が無いことで、エラーや不具合などに対して修正を施しながら作業を進める必要があります。
一方forgeの場合は、webブラウザ上で全てのファイルを一括管理できるので、よりスピーディに確認・テスト作業が可能です。
webサービスの制作まで可能
forgeと従来のソフトウェアの大きな違いは、設計からwebサービス構築までの作業を1つのソフトウェアで操作可能という点です。
forgeでは、他のAutodesk製品や他社製品で作られたデータを取り込み、1つの製品データとして出力できます。更に、出力されたデータを、forge内で様々な設定や機能と組み合わせ、新たな製品やサービスを生み出すことも可能。
たとえばVR機能の組み込みや、3Dデータを2Dデータへ変換、更に各部品の分解作業や製品動作テストのリアルタイム分析など、多岐にわたり活用できます。
forge の開発環境
続いては今回のメインテーマでもある、forgeの開発環境についてご紹介していきます。
forgeは様々なデータを1つにまとめることも可能ですが、そのためには複数のソフトウェアとの連携と開発環境の準備が必要です。
webブラウザの準備
forgeを利用するためには、まずブラウザの準備が必要です。今回はGooglechromeで開発環境を整える方法をご紹介します。
ブラウザ上でforgeのデータを表示するためには、一般的なブラウザ表示と同様のHTML5とCSS3、そしてWebGLを実装したソフトウェアが必要です。
そこで上記3ツールに対応しているソフトウェアの1つがGooglechromeで、web検索でGooglechromeと打ち込むとダウンロードページへアクセスできます。
続いて、「ChromeSetup.exe」をダウンロード・保存し(任意の場所に保管可能)、インストール作業が行われます。あとはインストール完了まで待ち、完了の表示があれば正常です。
サーバーの開発環境構築
forgeはクラウドサービスですので、開発環境の1つにサーバーの実装も含まれています。
あらためて簡単に説明すると、forge自体で開発を行うものではありません。関連するサービスとの連携や準備を行うことで、3DCADデータを用いた操作・管理などが可能になります。そして今回はNode.jsでの開発環境構築をご紹介します。Node.jsはJavaScriptをクライアント側のコンピューターでも同じサーバーを用いて、プログラミングが可能です。つまり複数の端末で、JavaScriptを用いた様々な動作を組み込む際にNode.jsが役立ちます。
まずはNode.jsの公式サイトで、利用OSごとに分けられたパッケージを保存します。(ページ中央部に記載されているインストールボタンをクリック)
続いて保存したファイルをクリックし、インストール作業に入ります。設定画面のライセンス規約にチェックを入れ、その後は「next」ボタンを何度か押して完了するまで待機です。インストール後に「finish」ボタンを押すとNode.jsの開発環境が完了します。
エディタの開発環境
何度か触れていますが、forge自体が開発サービスではなく各APIを1つにまとめて利用することができるアプリケーションです。
そしてHTMLやJavaScriptの編集を行うためには、エディタが別途必要ですので、今回はAdobe Bracketsの開発環境構築についてご紹介します。
Adobe BracketsとはAdobe社が提供している、テキストエディタツールでDreamweaverから必要最低限な機能を残したシンプルなソフトウェアです。まずは、http://brackets.io/へアクセスし、ページ上部にあるダウンロードボタンをクリックし、任意の場所へファイルを保存します。
続いて、他のインストール方法と同じく、ファイルを開き「next」ボタンを何回かクリックするとインストール作業が始まります。あとは、インストール完了後に[Finish]もクリックするとソフトが終了するので、正常に動作するか確認のために起動してみましょう。
テスト環境の構築
forge は、RESTful API(外部からシステムの操作などを行うもの)を多用するので、RESTful APIのテストも可能な開発環境の整備を行うのがおすすめです。
そこで2014年に開発されたPostmanと呼ばれる、APIの統合管理・テストなどができるソフトウェアのインストール方法を解説します。
まずはhttps://www.getpostman.com/downloads/にアクセスし、ページ上部にある「download」ボタンをクリックし、保存後に起動します。後は、起動後に自動でインストール作業が行われ使用可能になる流れです。
forge の開発環境に関する注意点とポイント
forgeの開発環境に関する注意点とポイントについて解説していきます。forgeはCADデータなどを1つにまとめて、サービスを構築したりデータの確認をしたりできますが、一方で分かりにくい部分もあります。
設計やサービス提供に必要なソフトウェアのみ開発環境を整える
forgeは、Autodesk社や他社の各サービスを、クラウド上で1つにまとめて開発やデータの確認・テストなどができるサービスです。そのため機能が非常に豊富で様々な作業に活用できますが、全ての機能を利用するケースは少ないでしょう。
あくまで利用予定のサービスやAPIの開発環境を整えるのが、効率よく利用するためのポイントです。
forge の開発環境以外に必要な手続き
続いてはforgeの開発環境だけでなく、利用手続きについてもご紹介します。開発環境を整えるだけでは利用できませんので、登録作業なども把握しておきましょう。
デベロッパーキーの取得
Forgeを利用するためには、デベロッパーキーと呼ばれるIDが必要です。また、デベロッパーキーを取得するためには、Autodeskもしくはforgeに登録しなければいけません。
順番をまとめると、以下になります。
(参考URL: https://forge.autodesk.com/)※翻訳済み
- Autodeskに登録
- forge公式サイトにアクセスし、サインイン
- マイページから各アプリの取得
- デベロッパーキーの取得(Client ID とClient Secretと呼ばれる2つのIDを取得)
もしAutodeskに登録していない場合は、forge公式サイトから新規登録作業を行うことで、サービスの利用ができます。そしてデベロッパーキーは、アプリの利用者および責任者のパスワードでもあるため、管理には注意が必要です。
◆まとめ
CADデータの統合や変換、そしてデータを活用したテストや新たなサービス開発も可能なforge。
公式サイトは日本語対応していなかったり、機能が豊富すぎたりしているため使いやすさという点でネックもありますが、利用方法を把握できればwebサービスの開発など様々な用途に活用できます。
また、forgeを利用するためには、アカウント登録と関連するソフトウェアの開発環境を整えることが必要です。
今後国内向けのサポートが整うかは不明ですが、1つのサービスに各機能をまとめて使用できるのは大きな利用メリットですよ。
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https://adndevblog.typepad.com/technology_perspective/2017/01/development-environment-for-forge.html
https://forge.autodesk.com/
https://adndevblog.typepad.com/technology_perspective/2018/05/about-autodesk-forge.html
https://www.apptec.co.jp/technical_report/pdf/vol26/treport_vol_26-02.pdf
https://forge.autodesk.com/api/model-derivative-cover-page/
http://brackets.io/