そろそろ、「キャリアの組み合わせ」を考える時が来た。
「キャリアに一貫性をもたせなさい」と、キャリアアドバイザーの方々からは言われる人は多い。
だが、最近では「一貫性」はそれほど歓迎されるわけではない。
例えば、「Java一筋10年」のエンジニアと、「Javaの経験6年+製造業で生産管理業務4年」のエンジニアと、どちらが魅力的だろうか。
もちろん一概には言えない。専門特化された深い領域の知識が必要な仕事も多いからだ。
しかし、IT業界においては特に最近、後者のようなエンジニアが歓迎されるようになってきた。
その背景は「自社サービスを生み出すために、多様な人材が必要となった」ことが挙げられる。
かつてIT業といえば受託開発が殆どを占める業界であった。自社でサービスを保つ必要はない。ハードウェアを売るか、依頼を受けてソフトを開発するか、それともパッケージソフトをつくるか、いずれにせよ自分たちが使うためのシステムではなかった。
しかし、時代は変わった。
技術の革新に伴い、ウェブサービスそのものが人々の間に浸透するにつれ、「自社でサービスを作る」ということへの投資が非常に低コストで可能になった。
また、技術者も自分たちでつくるサービスに魅力を感じるのは当然の成り行きだ。
したがって、「IT業の技術しか知らないエンジニア」は徐々に過去の遺物になりつつある。
これから必要なのは、「マーケティングができる技術者」「デザインのできる技術者」「営業管理のできる技術者」「文章の書ける技術者」などであり、いずれも自社サービスの運営に欠かせない人々だ。
キャリアを真剣に考えるなら、技術をどう活かすかを考え、会社のサービスに関わることが重要だ。