必ずしも、「長く続ければスキルアップする」わけではない。努力を実らせるための秘訣。
技術者を採用するとき、一般的には「経験年数」はよく見られる数字だ。経験年数がながければ「それなりに出来そう」と思えるし、経験が浅ければ「こちらが育成しなければならない」と、ほとんどの経営者や人事は思っている。
「経験◯年以上」という募集要項が多いのも、上のような理由によるものだ。
だが、本当に経験年数が多ければスキルが高いのか、と言われれば、そんなことはない。読者諸兄がよくご存知のように、「経験20年」が「プロ中のプロ」をそのまま意味することはない。
要は、「経験年数」だけでは上達の条件としては十分ではない、ということだ。
例えば、マルコム・グラッドウェル氏はその著書「Outliers」にてかの有名な「1万時間の法則」を紹介している。これは、「卓越した成果をあげる人々、いわゆる天才たちは、1万時間もの時間を、修練に使っている」という話だが、もちろん、皆が1万時間練習すれば天才になれるわけではない。これは必要条件にすぎないのである。
では、「スキルアップ」に必要な物は何だろうか。時間以外に必要なことがあるのだろうか。プロスポーツ選手などの練習方法に、 そのノウハウを垣間見ることができる
それは、大きく3つある。
1.手本を見る
稀に「独学で修練をつみました」という方もいるが、有名なプロスポーツ選手には有名なコーチが必ずと言っていいほど付いている。それと同じように、ある技術をスキルアップしたいとおもったら、ある時点でかならず良いコーチを求める必要がある。
手本を探そう。良い教師を求めよう。何も師事する必要は無い。見て、盗むだけでも独学に 比べてかなりのちがいがでる。
2.アウトプットする
技術というものは、教科書を読んだら身につくというものでもなければ、教わって身につくというものでもない。
自分自身で何かを作り上げた時のみ、身につくのである。従って、手本を見たら自分で手を動かしてみよう。「アウトプットする」ことを意識してひたすら創り上げることに時間を使おう。
3.フィードバックをうける
いくらアウトプットが大事と言っても、作るだけではスキルアップにはすぐに限界がくる。作ったものは必ず人に見てもらい、フィードバックを受けよう。
自分よりスキルが上の人に見てもらうことはもちろん、下の人にも見てもらおう。きっと新しい発見があるはずだ。
この3つの活動を行って初めてスキルアップできる。 「長く続ける」だけではなく、意図して上の3つをやってみよう。半年もすればちがいが見えてくるはずだ。