CADをスマホで使うには?仕事で使うコツと無料アプリ3選
「CADは机に向かって使うもの」というイメージがありませんか?
設計といえば、昔は製図台、今はCAD。
2000年代からはスマホの発展に伴い、持ち運べるタブレットやスマホで使えるアプリも充実してきています。
スマホでCADを使うには、アプリをダウンロードするだけ。なのですが、ある程度の準備をしておくと、よりスムーズにCADが使えるようになります。
さらに、仕事で使うには、気をつけたいポイントがいくつかあります。
使ってみないとわからないところもありますが、ダウンロードする前に、まずはCADアプリの特徴から見ていきましょう。
この記事を読むと以下の3つのことがわかります
①スマホのCADでできること、できないこと
②CADアプリを仕事で使うためのポイント
③スマホで使える無料のCADアプリ3選
スマホのCADでできること、できないこと
スマホのCADアプリでどこまでできるのか、可能な操作やPC版との違いを見てみましょう。
スマホのCADでどんなことができる?
スマホのCADでできることは、図面データの閲覧・編集・保存などです。
アプリによって使える機能に違いがありますが、ほとんどのCADアプリが対応しているのは、クラウドでのデータ共有です。
どこにいても図面データにアクセスできるので、現場や客先での編集も可能です。
会社に戻っての修正作業を減らすことができ、作業効率アップにつながります。
さらに、図面データをダウンロードしてのオフライン作業や、編集後の同期を活用すれば、データ共有がよりスピーディーに行えます。
スマホのCADを使うメリット
CADアプリはスマホやタブレット向けなので、基本的にタッチ操作です。
画面に直接さわって感覚的な操作ができるので、CADに慣れていない人や、CAD初心者にも操作しやすいというメリットがあります。
CADアプリを使うと、画面の拡大・縮小がスマホ感覚でできるので、情報の多い図面も瞬時に拡大できます。
印刷した図面を何枚もめくっていくよりも、現場で詳細が確認しやすいところも大きなメリットです。
PC版のCADとの違い
便利なCADアプリですが、PC版との違いはどこにあるでしょうか。
大きな違いは、使える機能の制限です。かんたんな修正や作図はできますが、複雑な機能は使えない場合があります。
アプリによっては開くことができるファイルサイズに制限がある場合もあります。
CADアプリは、ひとつで作業が完結するPC版とは活躍する場が違うものといえるでしょう。
あくまで補助的なものとして、PCに縛られずCADの機能を活用できるツールです。
CADアプリを仕事で使うためのポイント
CADアプリを快適に使うために、モバイル環境ならではの気になるポイントを見ていきましょう。
クラウドストレージを準備する
図面データをCADアプリで開くには、データをクラウドに保存しておく必要があります。
図面が増えるとすぐに容量が大きくなるので、無料で大容量のデータが保存できるサービスを利用するのがおすすめです。
無料プランで使える最大容量は、OneDriveで5GB、Googleドライブで15GB、Dropboxで2GB、iCloudで5GBとなっています。(2021年2月26日現在)
クラウドサービスの利用には、メールアドレスなどの登録が必要です。
スマホでCADを使うなら、事前に準備しておくとスムーズに始められるでしょう。
電池と接続環境は万全に
外出先でCADアプリを使う場合、うっかり忘れると困るのが「電池の消耗」です。
充電池の準備や、充電スポットの確保など、万が一電池が切れてしまったときにも対応できる準備を整えておきましょう。
クラウドに接続する場合、接続環境にも注意する必要があります。
会社のデータは基本的に機密情報なので、フリーのWi-Fiスポットは使わない方が安全です。
フリーズやエラーも想定する
図面データは、情報が多ければ多いほど重くなります。
PC版ではスムーズに開いていた図面データも、アプリでは開くまでに時間がかかったり、フリーズやエラーが起きてしまう可能性もあります。
CADアプリが快適に動くかどうかは、スマホやタブレットの能力にもよります。
CADアプリを使う端末は定期的にキャッシュをクリアしたり、バックグラウンドアプリを閉じるなど、環境を整えておくのがおすすめです。
「外出先で端末が突然動かなくなった」という最悪の事態を想定して、サブ機の用意やプリントアウトした図面を準備しておくことも、リスク回避につながります。
スマホで使える無料のCADアプリ3選
ここからは、スマホで使えるCADアプリをご紹介します。
機能の特徴をチェックしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
AutoCADモバイルアプリ
「AutoCAD」のモバイルアプリは、無料版と有料版2タイプの全部で3種類です。(*1)
無料版は2D図面の閲覧と計測ができますが、編集や保存の機能はなく、ビューワーのような使い方ができます。
有料版は2D図面の作成や編集、レイヤ操作などが可能です。
有料版2タイプの違いはストレージとファイルサイズの容量で、ストレージは最大100GB、ファイルサイズは40MBが上限です。
有料版はサブスクリプション(月額・年額の定額制)での購入となりますが、AutoCADのPC版のサブスクリプションを購入していれば、パッケージに含まれています。
普段からAutoCADを使っている人や、AutoCADで作られたデータを手軽に閲覧したい方におすすめのCADアプリです。
DWG FastView
「DWG FastView」は、3D作図も可能なモバイルアプリです。(*2)
DWGファイルと互換性があり、GstarCADやAutoCADの図面を編集できます。
無料で使えて登録の必要もないので、すぐにでも始められる気軽さがポイントです。
オフラインでの作業も可能で、PDFやJPGなどへ変換でき、クラウドでの共有やメールへの添付もできます。
編集機能を使わず、表示だけができる「表示モード」があり、重い図面データでも閲覧しやすいよう機能がついています。
「DWG FastView」は、購入や登録などの手間をかけずに、すぐCADアプリを試してみたい方におすすめです。
IJCAD Mobile
「IJCAD Mobile」は、日本で開発されたIJCADのモバイルアプリです。(*3)
AutoCADとの互換性が高く、DXF、DWG形式のファイルの編集や保存が可能です。
JWW形式の図面の編集ができるので、Jw_cadで作られたデータも編集できます。
使える機能はかんたんな作図や文字の記入、距離や面積の計算などに限られますが、完全無料で使えるのがうれしいポイントです。
「IJCAD Mobile」は、日本語のCADが使いたい方や、ビューワーとしての機能があれば十分な方、DXF、DWG、JWWのファイルをひとつのアプリで編集したい方におすすめです。
まとめ
図面の閲覧や修正ができるCADアプリは、無料のものも多く、ダウンロードすればすぐに使えるのがメリットです。
使い慣れたスマホで直感的な操作ができるので、CADを使ったことがない方にもなじみやすく、取り入れやすい導入方法ではないでしょうか。
クラウドサービスや接続環境の発展に伴い、スマホが活躍する場面がどんどん広がっています。
この機会にぜひ、新しいCADの使い方を試してみてはいかがでしょうか。
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参考URL:
*1 オートデスク「AutoCAD モバイル アプリ プランの比較」
https://www.autodesk.co.jp/compare/compare-features/autocad-mobile
*2 Google Play「DWG FastView-CAD 図面を編集・閲覧するツール」
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.gstarmc.android&hl=ja&gl=US
*3 IJCAD「製品紹介 IJCAD Mobile モバイル用CAD」
https://www.ijcad.jp/product/mobile/