AppleとFacebookの利用者データを巡る戦い
Facebookからの個人情報漏洩やスマートフォンの長時間利用が社会的な問題となり、SNSでの個人情報に関する規制やスマホ中毒の問題があらためて議論されています。ハードウェアメーカであるAppleと広告事業により発展するFacebookでは立場の違いがあり、個人情報に関する意見に違いがあるのは当然でしょう。2018年6月に開催されたAppleの開発者会議「WWDC 2018」では、プライバシー強化やスマホ中毒防止に関する機能が紹介されました。Facebookの今後の対応も注目されます。
2018年3月に発覚したFacebook個人情報漏洩問題
Facebookからの個人情報漏洩が発覚したのは、2018年3月のことでした。被害者数は8700万人と大規模。Facebook上で公開された性格診断アプリで集められた個人情報が、選挙コンサルティング会社に渡ったという内容です。
ケンブリッジ大学の研究者アレクサンドル・コーガン氏が「This Is Your Digital Life」という性格診断アプリを開発しFacebook上で公開しました。その後、収集した個人情報を選挙コンサルティング会社のケンブリッジ・アナリティカが共有したとされています。これは、Facebookのデータ共有方針に対する甘さが招いた事態とも言えるでしょう。
この件に関して、AppleのCEOティム・クック氏は、「Appleは個人情報を商品化しない」とコメントを残し、批判しています。FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグ氏は、「コミュニティの保護」を主張し、迅速な対応を試みようとしていますが、批判は免れないようです。
Facebookは、プラットフォームへの批判が集中している中、利用者情報保護のための対策を発表しています。アプリ開発者がFacebookの承認なしに入手できるデータを制限するとのこと。また、外部アプリによる個人情報不正利用の通報に懸賞金を提供する制度も開始。今後も更なるセキュリティ対策が望まれます。
「Safari」改良によりSNS利用時の個人情報取得を制限
「WWDC 2018」においてiOSやmacOSの新機能が発表されました。その内の一つがトラッキング対策で、Webブラウザー「Safari」に追加される機能です。トラッキングとは、Webサイトの閲覧履歴や経路などの行動を追跡する事ですが、それを防止しデータ会社による追跡を不可能にするとのこと。Webサイトに設けられた「いいね!」ボタンやSNSシェアボタン、コメント欄などは、クリックするしないに関わらずトラッキングに利用されます。
次期Safariでは、Webサイト閲覧中にFacebookから「いいね!」ボタンでトラッキングされる恐れがある際に、警告表示されます。これは、ユーザーにSNS共有ボタンを読み込む許可を求めるポップアップです。
「Screen Time」によるスマホ利用時間の管理
スマホの長時間利用が問題視されていますが、「Screen Time」はスマホの利用時間を客観的に分析できる機能です。「Screen Time」では、全てのアプリの使用時間や閲覧したWebサイトが詳細に表示されます。また、アプリ使用時間を減らす必要を感じている人は、アプリごとの使用時間を設定することも可能。長時間利用で問題となるアプリとして、SNSやゲームなどが挙げられます。個別設定することで時間切れが近づいていることを知らせる通知が届きますので、毎日のスマホ利用管理に役立つでしょう。なお、「Screen Time」はファミリー共有により、保護者が子供のスマホ利用時間を管理することも可能です。
Facebookのように広告ビジネスによる収入を必要としているIT企業は、スマホ利用者のWebサイト閲覧時間が収益に影響を与えます。スマホの使い過ぎが問題になるのは、そういったSNSの長時間利用を大きな原因とする端末提供企業との立場の違いや、お互いの自社戦略が感じられます。
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