Con-Techが建築業界を変える!コンストラクションテックサービス3選
この記事を読むと、以下の3つのことがわかります。
①Con-Tech(コンストラクションテック)の概要
②あたらしいCon-Techサービス
③Con-Techを成功させるポイント
日本の道路やダム、マンションを作っている建築業界では、人材不足や労働者の高齢化が問題視されています。他の業種にくらべて休日が少なくハードな仕事であり、労働環境の改善も必要です。
そんな中登場したのがCon-Tech(コンテック)という考え方で、ITによって建設業界を変えていこうとしています。最新のサービスと、建築業界の課題についてご紹介します。
建築業務をITで効率化!Con-Techの概要について
Con-Tech(コンストラクションテック)とは?
Con-Techとは、建築(Construction)と技術(Technology)を掛け合わせた言葉です。IT技術を取り入れて、業務を効率化させようとする動きが始まっています。コンストラクションテックや建設テック、Con-Techなど複数の呼び方がありますが、意味は同じです。
建設現場で行われている調査や測量・設計・検査や維持管理という工程のすべてで3次元データを活用することで、見える化や効率化を図っていきます。
建築業界が抱える問題
国内で2番目に大きな市場である建築業界ですが、さまざまな課題を抱えています。
その中でも人材不足は深刻な問題で、労働者1人あたりの作業量が多すぎることで休日が少ないなど、労働環境を改善する必要があります。
しかし建築業界はハードな仕事であり、なかなか若手の人材が増えません。今建築業界を支えているのは50代以上の人達なので、定年退職を迎える10年以内に100万人近い労働者が不足すると予想されています。
そこで注目されているのが、コンストラクションテックという技術です。建築業界は職人と呼ばれる技術者が支えており、勘や経験などが重視されていました。専門的な技術や知識が必要なので、“一人前”と呼ばれるまでは長い年月がかかります。
そこで今まで職人が行っていた建築技術をシステム化することで、働きやすい環境を作っていくことが期待されているのです。
大手建設会社がコンストラクションテックに50億円投資
課題が大きい建設業界を改善しようと、カシワバラコーポレーションが日本でCon-Techのプロジェクトをスタートしました。Con-Techのサービス開発を行うITのスタートアップ企業に成長ノウハウなどを提供し、投資枠を50億円も設けたのです。
カシワバラコーポレーションといえば70年以上の社歴を持ち、マンションなどの大規模な修繕工事を行っています。
建設業界は前述の通り職人が大きく活躍する業界であり、現場での技術がモノを言う世界です。その特性からIT技術の導入が遅れがちで、いまだに発注にFAXを使ったり、紙媒体の図面でやり取りをしたりといったアナログ文化が根強く残っています。
カシワバラコーポレーションはそんな建設業界をすこしでも改善しようと、Con-Techプロジェクトを始動しました。
・Con-Tech公式サイト
カシワバラコーポレーションは建築業界の中でもITに特に明るく、Con-Techのメディアも立ち上げました。海外事例を中心にコンストラクションテックの情報を発信しており、様々な最新事例が紹介されています。
・Con-Techメディア「CONTECMAG」
Con-Techは2015年頃からアメリカで盛んになりましたが、その動きを日本でも起こそうと動き始めています。Con-Techは新しい技術なので新規参入が多く、新しいビジネスチャンスともいえます。そのため世界各国で多くのベンチャー企業が参入しているのです。
コンストラクションテックで見込める効果とは
Con-Techの導入による効果は、効率化がもっとも大きいでしょう。今まで職人さんの腕頼みだった技術をIT化することで、圧倒的に効率化できます。生産性が向上するので働き方改革にも大きく貢献して、労働環境が改善するでしょう。
建築はビルやマンション、トンネルなどものを作る仕事であり、今までは紙媒体の2次元データから3次元のものを作り上げていました。
コンストラクションテックでは今まで2次元データで扱っていたものを3次元化することで、空間的なデータ管理も行えるようになります。
建てる前にパソコンの中で完成図が詳細にチェックできるということは、設計ミスや細かな不具合が防ぎやすくなるということです。企業に大打撃を与える設計ミスも起きにくくなるでしょう。
Con-Techのスタートアップサービス・企業4選
VRで臨場感アップ!リアリティのあるプレゼンができるALTA for VR
賃貸や家を建てる時、図面で見るのと実物は違うと実感することがあります。とくに建築を知らない一般の人だと、完成イメージを図面で見せられてもピンと来ないものです。
そこで登場したのが、VR(仮想現実)技術を使ったCon-Techサービスです。VRで家の内観を限りなくリアルに再現することで、一般の人は図面で見るよりずっと完成図がわかりやすくなります。
ALTA for VRは持ち運べるポータブルタイプ、機能性の高いルームスケールタイプ、実寸大で使うスクリーン投影タイプの3種類があります。お客様から「予想していたものと違う!」というクレームが大きく減るでしょう。
ソフトバンクが900億円投資したCon-Tech 企業Katerra
ソフトバンクのグループ会社であるソフトバンク・ビジョン・ファンドが900億円も投資したとして注目されているのが、カリフォルニアの会社であるKattera(カテラ)です。
Katteraは建築の部材調達をスムーズにすることで、効率化を進めています。“建設版トヨタ”ともいわれる物流の最適化を図っているのです。
生産体制から徹底的にムダや無理を省き効率化するために最新技術を取り入れており、建設に関わる全ての工程を自社開発したプラットフォームで管理しています。つまり全ての工程がデータ化されているので、建築に関わる人達で共有することができます。
3次元データの共有はBIM(Building Information Modeling)という考え方でも大切です。BIMは3次元データを共有して効率的に建設しようという考え方で、国が推進しています。
徹底的に効率化を追求するKatteraは、建設業界を変えるのではと期待されています。
参照:Kattera公式サイト
建築家とユーザーをマッチングするSuMiKa
株式会社カヤックLivingが運営するSuMiKaは、さまざまな建築のプロが一般のユーザーにアドバイスできるサイトです。
SuMiKaが面白いのは、一般的な情報提供サイトではなく、SuMiKaに関係ない建築家とユーザーをマッチングさせるという点です。
建築の規模もさまざまで、新築住宅やリフォームの設計はもちろんのこと、家具のデザインやガーデニングといった案件まであります。一般ユーザーは予算や完成希望日、市町村情報を入力してプロジェクトを立てているので、建築家がマッチングするお客様を選べるという新しいサービスです。
参照:SuMiKa
コンストラクションテックで成功するポイントについて
国も主体となって取り組んでいますが、いま建築業界で働いている人も課題を感じることが多いのではないでしょうか。今回ご紹介したように建設業界の課題を解決するサービスが多く登場しているため、ICTの導入は必須といえます。
しかし今行っている業務をCon-Techで効率化させる前に、1つ1つの業務を見直すことも大事です。何に時間がかかるのか?何か無駄な作業をしていないか?と見直すことで、新しい気づきがあるかもしれません。
また、コンストラクションテックではベンチャー企業が続々と参入しています。しかし建設現場を変えるには、現場の人の意見が必要です。ベンチャー企業からサービスを提案されるだけではなく、現場の人から改善してほしい課題や要求を伝えることも大事でしょう。
多くのITや技術が生まれましたが、まだまだ日本国内には課題が残っています。建築現場で働く人が今困っていることに声を上げることで、スタートアップ企業も作るべきサービスが見えてきます。
建築業界は日本を支えるために欠かせません。これからもITで多くの業界がより良くなることを願っています。
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