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DropboxとAutoCADを連携させる方法

①Dropboxなどのクラウドストレージサービスとは
②DropboxとAutoCADを連携させるメリット
③DropboxとAutoCADを連携させる方法

コンピューターが一般に普及し始めた1980年代後半、コンピューターで作成したデーターはそのコンピューター内に保存され、外部に持ち出すときはフロッピーディスクなどの外部記憶媒体を使用することが一般的でした。それが1990年代になると職場内のコンピューターがネットワークで接続されるようになり、ファイルサーバと呼ばれる「ネットワークドライブ」内にファイルを保存するようになりました。このネットワークをLAN(ローカルエリアネットワーク)と呼びます。LAN上のコンピューターであれば、アクセス権が適切に設定されている必要がありますが、別のコンピューターで別の人が作成したデーターを閲覧したり編集できるようになりました。
2000年頃からインターネットが一般企業や家庭で使用できる環境が整ってきます。これに合わせてインターネット回線を介してファイルをやり取りすることが可能になりました。といっても、最初は電子メールにファイルを添付して送信する程度のものでした。

Dropboxなどのクラウドストレージサービスとは

そんな中、「クラウドストレージサービス」という新しいサービスが誕生します。これはインターネット上の自分専用のファイルサーバにファイルを保存し、適切にアクセス権を設定することにより他の人とファイルやフォルダを共有することができるサービスです。
このクラウドストレージサービスの中でも2000年代後半の黎明期に誕生したのが今回ご紹介する「Dropbox」です。Dropboxは2007年、アメリカでドリュー・ハウストンとアラシュ・フェルドーシが創設しました。2020年1月現在、登録ユーザーは6億人以上と非常に大きなクラウドストレージサービスになっています。(※1)
DropboxはWebブラウザを使い、簡単な操作でファイルをアップロードしたりダウンロードしたりすることが可能です。また、WindowsやMacOS、スマートフォン用に開発されたアプリケーションをインストールすることにより、ファイルをアップロードすることなく指定したフォルダ内を同期させることもできます。
フォルダ内を同期する方法は、一度設定しておけばそれ以降、個別にファイルやフォルダをアップロードする必要がないため、とても使い勝手がよいツールになっています。

DropboxとAutoCADを連携させるメリット

さて、クラウドストレージサービスのDropboxと3次元CADのAutoCAD、一見全く違う種類のソフトウェアですが、こちらを連携させることによりAutoCADの作業効率を格段に高めることができます。
それは「いつでもどこでもだれとでも、それも簡単に」図面ファイルを共有できるというメリットです。
前述したメール添付によるファイル送信などの方法では、図面ファイルを送信し、受け取った人が保存して開くという手間がかかります。また、受け取った人が図面ファイルを修正した場合は再度返信しなくてはいけません。

これをDropboxに置き換えると以下のようなイメージになります。
※それぞれのパソコンなどの端末がインターネットに接続されていることが前提になります。
1.Dropboxで共有したいユーザー同士で共有フォルダを作成しておく
2.Dropboxで共有されているフォルダにAutoCADの図面ファイルを保存する
3.共有ユーザーはいつでも好きなときに保存されているAutoCADの図面ファイルを見ることができる
文字で書くと長くなりますが、Dropboxで共有されているフォルダやファイルはOSから見ると普通のフォルダやファイルと同様に扱えるので、AutoCADで図面ファイルを保存する、開くといった操作をするだけでよいので連携というほどの作業は必要ありません。

DropboxとAutoCADを連携させる方法

実際にDropboxとAutoCADを連携させる方法をまとめてみました。

Dropboxのデスクトップ版をインストール

Dropboxのホームページからお使いのOSに合ったDropboxのデスクトップ版をダウンロードしてインストールします。2020年1月現在、以下のOSに対応するものがリリースされています。(※2)
l Mac(Apple)パソコン
l iPhone、iPad、iPod touch(iOS)
l Windows 10(S モード):パソコン、モバイル、タブレット、Xbox などの ユニバーサル Windows プラットフォーム
l Windows パソコン(S モードではない Windows 7、8、8.1、10)
l Android スマートフォン
l Linux パソコン
インストール後、自動的にDropboxに同期するフォルダ(以下Dropboxフォルダ)が作成されます。

DropboxフォルダにAutoCADの図面ファイルを保存する

Dropboxフォルダ内にAutoCADの図面ファイルを保存すると、インターネットに接続された環境であれば、瞬時にDropboxのクラウドストレージにアップロードされます。

Dropboxフォルダに共有設定を行う

ブラウザでDropboxにログインし、ファイルやフォルダに共有設定を行います。ユーザーを指定して共有する方法やファイルの保存先リンクを相手に通知して共有する方法などがあります。詳しくはDropboxのヘルプなどを参照してください。
共有設定を行ったあとは、お互いで図面ファイルを閲覧することが可能になります。

AutoCADWebAPPでDropboxと連携する

Autodesk社で提供している「AutoCADWebAPP」を利用するとさらに「Autodesk Webおよびモバイルに保存」が使用できるようになります。これはAutodesk社が用意しているWebサービスで、ブラウザさえあればAutoCADを利用できるサービスです。クラウドストレージ(AUTODESK DRIVE)も25GB(サブスクリプションや導入している製品により違いがあります)が用意されています。

このクラウドストレージに以下の操作でDropboxを追加することができます。
1. https://web.autocad.com/acad/meにアクセスして、左側にある「Add storage provider」をクリックして「Dropbox」を「Add」する。
2. ブラウザで「Dropbox-APIリクエストの承認」が開くのでDropboxのアカウントでログインしてAPIリクエストを「承認」する。
3. これによりAUTODESK DRIVEにDropboxの共有フォルダが追加される。

※従来はDropboxとAutoCADを連携させる「Dropboxプラグイン」がAutodesk社からリリースされていましたが、2020年1月現在は提供されておらず、そのかわり、AutoCADWebAPPでDropboxの連携が可能になっています。

スマートフォンからの利用

iOS版またはAndroid版のAutoCADをスマートフォンやタブレットにインストールすると、AutoCADWebAPPで設定したクラウドストレージに保存してある図面ファイルを開くことができます。
AutoCADWebAPPでDropboxを連携しているときは「既存の図面を開く」にある「Dropbox」のアイコンをクリックするとファイルの編集などを行うことが可能です。

まとめ
インターネットが常に接続されている時代となり、Dropboxを始めとしたクラウドストレージサービスも一般的に使われるようになってきました。これによりCADの世界でも図面ファイルの共有化が手軽に行えるようになり、作業効率が格段にアップするようになりました。
今後は5Gなど、さらに高速・大容量の通信網が整備されますので、離れた相手とコミュニケーションを取りながら作図するといった時代がまもなく来ると思われます。

参考URL
(※1)
https://investors.dropbox.com/
(※2)
https://help.dropbox.com/ja-jp/installs-integrations/desktop/system-requirements

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