Googleシリコンの「Whitechapel」に注目が集まる理由とは?
GAFAによるハイテク開発の勢いは加速し、各社が共同で、時には競合関係となりながら、様々な製品やサービスを展開してきました。
2021年の春以降、近日登場予定のテクノロジーとして注目されているのがGoogleシリコンです。
その名の通りGoogle謹製のシリコンですが、今後の技術開発はどのような展開を見せるのでしょうか。
今回は2021年秋に発表が予定されている、Googleシリコンの「Whitechapel」について、注目の理由をご紹介します。
目次:
①Googleシリコン「Whitechapel」について
②Googleシリコンが注目される理由とは
③Googleシリコンの登場で何が変わるのか
Googleシリコン「Whitechapel」について
まずは話題になっているGoogleシリコンがそもそも何なのかについて、確認しましょう。
Googleシリコンとは
Googleシリコンは、2021年秋に発売予定の最新スマホ「Google Pixel 6」に搭載されるとされている、Googleが独自に開発したチップのことです*1。コードネームで「whitechapel」と呼称されており、次世代のGoogleハードへ広く普及する可能性を持っています。
あらゆるスマホには本体機能の核となるチップが埋め込まれていますが、これまではSamusungやIntelなどのサードパーティメーカーに頼ることが一般的でした。契機となったのは、Appleが2020年に発表、そして実機に搭載したAppleシリコンです。これまで運用していたIntel製のチップを廃止し、自社開発のAppleシリコンと呼ばれるSoC(システムオンチップ)を搭載したことで、性能の向上と本体デザインの刷新を実現しました。
Googleシリコンもまた、自社独自のチップとして、従来のチップに比べて飛躍的なパフォーマンスの向上が期待されています。
「Whitechapel」の具体的な性能について
GoogleがこれまでPixelシリーズに搭載してきたのは、QualcommのSnapdragonシリーズでした*2。
Googleシリコンの開発はSamsungとの共同設計で行われ、製造もSamsungが担当しています。具体的なスペックについては明らかになっていないものの、Samsungの最新チップと同等のパフォーマンスが期待されています。また、GoogleはPixelシリーズのカメラセンサーを現在のソニー製からSamsung製に移行する噂も出ています*3。
Googleシリコンが注目される理由とは
このように、まだ公式発表が行われていないのにもかかわらず、Googleシリコンの登場には多くの人が動向を見守っているという状況があります。Googleシリコンがここまで注目されるのには、どんな理由があるのでしょうか。
Appleシリコンとの競合化
一つは、前述したAppleシリコンと競い合う関係になるのでは、という展望です。これまで、Googleのサービスは他社のハードウェアや規格に則った形で提供されることがほとんどでしたが、これはAppleでも同様です。iPhoneやMac BookもAppleブランドだったとは言え、中身を除けばIntel製のチップが搭載され、他社規格に依存しているというものでした。
Googleシリコンが今後もGoogle製品の主流となれば、このチップに最適化されたサービスやアプリなどの登場も予想されます。現在はAndroidとiOSという2ブランドがスマホを席巻していますが、ここにGoogleシリコンとAppleシリコンの差別化も加わることで、両者にまたがるサービスの展開が難しくなる可能性もあります。
このサービスはGoogleだけ、このアプリはAppleだけといったラインナップが増える懸念もあるでしょう。もちろん、Appleシリコン以上に快適なチップとなる可能性も高く、Appleの圧倒的なスマホ市場における優位性を、Googleシリコンが覆すかもしれません。
ハードウェア開発の遅れを挽回
Googleシリコンに注目が集まるのは、これまでGoogleはハードウェア市場において大きな成功をおさめてこなかった背景もあるでしょう。それどころか、Googleはハードでの成功経験がそもそも少なく、ARゴーグルやゲーム機など、注目の市場における進出と撤退を繰り返してきました。
しかし、それでもソフトウェアやWebサービスにおいては無類の強さを発揮する企業です。コンピューティングの中核をなすシリコンチップにおいて成功できれば、今後Googleはソフト・ハードの両面での市場開拓、および相乗的な成長を期待できるでしょう。
Googleシリコンの登場で何が変わるのか
Googleシリコンの登場および成功は、Googleのブランドに様々なメリットをもたらすと考えられます。
優れたGoogle製ハードの登場
まずは、Google製ハードのさらなる進化です。Googleの主力スマホであるPixelシリーズは、現在も高いパフォーマンスを発揮するとしてiPhoneと比較されていますが、Googleシリコンの搭載でより性能が強化される可能性もあります。
事実、Appleシリコンは従来の性能をそのままに、チップサイズを小型化し、プロダクトデザインに多様性をもたらしました。
Googleシリコンにおいても、同様の効果が期待できるのはもちろん、さらなるパフォーマンス改善も行われるかもしれません。
Googleのサービス強化
Google謹製のチップが搭載されることで、それに最適化されたサービスの登場も促進されます。Googleはカメラソフトや各種Webサービスを豊富に扱っており、その汎用性の高さから多くのユーザーを抱えています。
Googleシリコンによって互換性に余裕が生まれた場合、より多様な機能を扱えるようになり、自社チップだからこそ可能な、便利なサービスが登場する可能性も期待できます。
おわりに
これまでソフトウェア開発で有数の実績を残してきたGoogleですが、Googleシリコンの登場は彼らにハード市場での成功のチャンスも与えます。
Appleシリコンとどのように差別化され、どのようなハードへ今後搭載されるのかについても注目したいところです。
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参考:
*1 iPhone Mania「Google Pixel 6がGoogleシリコン「whitechapel」搭載か」
https://iphone-mania.jp/news-366219/
*2 ITMedia News「“グーグルシリコン“搭載のPixel 6はiPhoneに勝てそう? Samsung + TPUでハイエンド復帰か」
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2104/03/news024.html
*3 iPhone Mania「将来のPixelシリーズにはSamsung製カメラセンサーを搭載?コードから推測」
https://iphone-mania.jp/news-359955/