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マーケティングの4Aから考えるFinTech業界のいま

日本でもついにApplePayがiPhone7で正式に使用できるようになり大いに話題となりました。

他にも、AndroidPayやLINEPayなど、様々な電子決済サービスが世の中に誕生しています。

 

そんな中、AnyPay株式会社というシリアルアントレプレナーとして有名な木村新司氏が立ち上げた新興のベンチャー企業が新たな決済サービスpaymoを発表し話題となっています。

同社には、AnyPayというウェブベースでの決済システムも立ち上げていますが、paymoはユーザ間のコミュニケーション機能を持ちながら、支払機能をもつモバイルアプリです。

(AnyPay木村新司氏、個人間の支払をスマートにするモバイルアプリ「paymo」を発表——12月のローンチに向け、ティザーを公開、THE BRIDGE 2016年11月17日)

木村氏は自身のツイッターで、以下のように述べています。

 

これらの支払いなどの金融系のサービスは、Finance+Technologyを合わせた造語「FinTech」と呼ばれ、次にブレイクするサービスとしてITベンチャー界隈では大変注目されています。

しかしながら現在、その注目は供給者サイドである起業家だけで一方的に盛り上がっているようにみえないでしょうか。ユーザーあってこそのサービスであり、実際、需要者サイドであるユーザー側ではよほどIT関連のトピックに精通してなければ、一般的にはほとんど話題になることはないと言うのが実状でないでしょうか。

現在のFinTech業界は、決済や資産運用など、いくつかの分野に分かれ、それら各分野には類似したサービスが乱立しているまさに群雄割拠の状態です。

例えば、電子決済分野ではApplePayとAndoridPayがありますし、資産管理分野にはマネーフォワードやZaimなどがあります。

 

とは言え、FinTechはて人々の暮らしを便利にするのは間違いありません。今後どのようにすれば需要者サイドを盛り上げることができるのでしょうか。

 

マーケティングで最近注目されているフレームワークに4A(Acceptability, Affordability, Accessibility, Awareness)と呼ばれるものがあります。これは顧客の立場に立って、顧客がどのように感じているかを4つに分けて評価しようとするものです。

○アクセプタビリティ

企業の提供する製品が全体として、どのくらいターゲット市場の顧客のニーズや期待と合致し、また、ニーズや期待を上回っているかをいう。

○アフォーダビリティ

ターゲット市場の顧客がどのくらい当該製品の価格に対して支払うことができ、かつ支払う意思があるかをいう。

○アクセシビリティ

顧客が当該製品をどのくらい容易に入手できるかをいう。

○アウェアネス

顧客が当該製品についてどのくらい知っており、購入や利用をしようと思っているかをいう。

(参考:「4A」とは、顧客が感じる4つの価値の視点に立って、マーケティングのあり方を大きく捉え直そうという考え方 AdverTimes 2015年1月16日)

この4Aのフレームワークを用いて見ていくと、既存のFinTech業界が満たしているのは、アクセシビリティは、ApplePayなどに代表されるようにもともとスマホの中に組み込まれていますので、ほぼ解消されているのですが、特にアウェイアネスに関して大幅に遅れているのではないかと思います。

 

FinTech業界ではありませんが、近年の日本のスタートアップの中で最も成功しているITサービスが「メルカリ」です。現在すでに4000万ダウンロードを超えるほどにまで成長しています。

参考:フリマアプリ「メルカリ」が日米合計で4,000万ダウンロード突破、1日の出品数は50万件を超える(インフォグラフィック)The Bridge 2016/6/16

メルカリは、上記の4Aに照らし合わせてみると、アクセプタビリティ、アフォーダビリティ、アクセシビリティ、アウェアネスは全てが高いことがうかがえます。

特にメルカリが莫大なユーザーを獲得することができたのは、あの馴染みやすいCMを流すことによって、需要者サイドに対してサービスの認知の徹底を行ったことも多いでしょう。まさにCMによってアウェイアネスを一般のユーザーにまで届けたともと言えるのではないでしょうか。

 

このようにみていくと、FinTech業界は一般ユーザーへの浸透はまだまだです。

今後、4Aであるアクセプタビリティ、アフォーダビリティ、アクセシビリティ、アウェアネスがFinTech業界を勝ち抜く鍵となるといえるでしょう。

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